森ビルについて、採用難易度から初任給等の待遇、さらには就職難易度まで、新卒で森ビルを志望する就活生が知っておくべき情報の全てをまとめています。
森ビルはどんな会社?|港区に強い総合デベロッパー
戦争で荒廃した東京を見て「ゆくゆくは焼け跡にビルを建てるつもりだ」と語った森泰吉郎が、1955年に立ち上げた森不動産に起源を持つ森ビル。
今日では、昨今話題の麻布台ヒルズをはじめとした、六本木・虎ノ門・麻布台エリアに圧倒的な強みを持つ総合デベロッパーとして、まちづくりを通じて多くの人に影響を与えています。
森ビルの事業|総合デベロッパーとして不動産関連事業を幅広く手掛ける
森ビルは、主に以下4つの事業を展開しています。
- 東京都港区を中心に、「ヒルズ」と称するオフィスを核とした住宅、商業施設、ホテル等によって構成される複合都市の開発を行う
- 所有するオフィス用ビルを直接賃貸するほか、他の所有者からオフィス用ビルを賃借し、これを転貸することも行う
- 主に「ヒルズ」に居住用物件を開発し「MORI LIVING」をブランドとして住宅の賃貸等を行う
- 「六本木ヒルズ」「表参道ヒルズ」「虎ノ門ヒルズ」「麻布台ヒルズ」といった商業施設の運営を行う
- 特定目的会社、特別目的会社及び不動産投資信託に対する出資、仲介及び管理を行う
- 森美術館や展望施設、TOKYO NODE等の運営を行う
- 「アンダーズ東京」「ホテル虎ノ門ヒルズ」「ジャヌ東京」の運営を行う
- 連結子会社を通じて、「グランドハイアット東京」や「宍戸ヒルズカントリークラブ」の運営を行う
森ビルは、多くの人が知る「六本木ヒルズ」や「表参道ヒルズ」といった商業施設の管理・運営だけでなく、その中にある「森美術館」や「アンダーズ東京」等の施設の運営までも行っています。
森ビルの主要プロジェクト:虎ノ門・麻布台プロジェクト
虎ノ門・麻布台プロジェクトは、総事業費約6,400億円・30年以上の年月をかけた壮大なプロジェクトで、「Modern Urban Village」をコンセプトに緑豊かな都市空間を創出しました。
商業施設やオフィス、住宅に加え、スーパーマーケットやインターナショナルスクール、アートミュージアムまで備えた、完全な街づくりを目指し、今日でもタウンマネジメントが進められています。
森ビルの企業理念|まちづくりに根差した理念体系
森ビルは、まちづくりに関連して以下の「理念・理想の都市・目指すもの」を掲げています。
森ビルは、主に開発を進める港区を中心として、「東京を世界一の都市にする」ために数々のまちづくりプロジェクトを進行させてきました。
それらの多くのプロジェクトは、森ビルが理想とする都市である、街の機能を高層化した建物に集約し、土地を緑化する「立体緑園都市」のコンセプトに沿っています。
そのまちづくりの背景には、建物やインフラを創って終わりではなく、街を時代のニーズに合わせて変化させ、成長させていくような育てることも手掛ける森ビルの姿勢を示した「都市を創る、都市を育む」という考えがあります。
森ビルの採用人数|30~40名強の採用で院卒が多い
以下が森ビルの過去3年間の男女別採用人数です。
年度 | 合計 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
2025年(予定) | 45 | 29 | 16 |
2024年 | 29 | 20 | 9 |
2023年 | 35 | 22 | 13 |
森ビルは2023年から2025年で、毎年30名から40名強の新卒を採用していることが分かりました。
特に2025年は45名の新卒を採用しており、例年に比べて採用を増やしているように伺えます。
また、森ビルは学位別でも新卒採用人数を以下のように公開しています。
年度 | 合計 | 院卒 | 大卒 |
---|---|---|---|
2025年(予定) | 45 | 29 | 16 |
2024年 | 29 | 14 | 15 |
2023年 | 35 | 14 | 21 |
このデータより、森ビルは修士(院卒)を半数近く取る年が多いことが分かり、特に直近の2025年入社予定人数においては修士卒が新卒採用人数の6割強を占めています。
森ビルの採用大学|国内有名難関大からの採用が中心
森ビルの新卒採用実績のある大学(採用大学)は以下の通りです。
上記の採用大学ランキングには、東京一工や早慶・MARCHといった国内の有名難関大学が並びます。
しかし、成蹊大学や日本大学など、MARCH未満の大学群からも一定採用があるようですので、森ビルが学歴フィルターを設けている低いでしょう。
実は筆者も元森ビルの内定者でしたが、ボリューム層は早慶・東京一工レベルで、MARCHやMARCH未満の大学群からもチラホラ内定者がいた記憶があります。
森ビルの就職難易度|とても難しい
森ビルは、就活生への人気測った以下のランキングにおいてランクインするなど、就活生にとって極めて人気がある企業であることが伺えます。
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6位ONECAREERワンキャリア 就活人気ランキング 2026年卒(不動産・建設)
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7位マイナビ・日本経済新聞マイナビ・日経 2025 年卒大学生就職企業人気ランキング(不動産)
森ビルの採用人数が30~40名強であること、就活生からの人気が高いこと、その中でも特に高学歴層からの人気が高いこと等を踏まえると、森ビルの就職難易度は非常に高いと評価できます。
森ビルの新卒採用|総合職・ビルマネジメント職で採用あり
森ビルの募集職種
森ビルは2025年度新卒採用において、以下職種を募集していました(2024年12月末時点)。
- 都市再開発業務
- 都市再開発の企画・計画立案、行政・権利者交渉、建築・設備設計他
- タウンマネジメント業務
- 施設の運営、街全体のブランディング、プロモーション活動、地域コミュニティづくり他
- プロパティマネジメント業務
- マーケティング調査、オフィス・住宅・商業のテナント営業、第三者物件受託、施設の管理・改修他
- コーポレート業務
- 財務、経理、総務、広報、人事他
- 施設管理マネジメント業務
- 専門の協力会社スタッフとの連携・マネジメント
- お客様対応業務
- 時代とともに高度化する顧客ニーズに応え、ますます多様化するビルの所有形態に合わせたサービスを提供
- 新規プロジェクト企画業務
- 新規に計画中のプロジェクトに対して設計段階から関わり、日々の業務で培った知識と経験を活かして、最新の管理運営ノウハウを計画に反映
- 開業前には与条件に基づいて最適で効率的な管理運営計画を企画して、新しい施設のオープン準備を担当
尚、総合職とビルマネジメント職の併願はできません。また、ビルマネジメント職は4年制大学(または高専卒)かつ理系の方のみを対象にして募集しています。
森ビルの求める人物像
森ビルは、「ワンキャリ企業ラボ」の企業説明会動画において、求める人物像を以下のように紹介しています。
- 熱意を持って、それを行動に移すことができる(経験がある)人
- 本当に答えを出すべき問いを見極める、課題設定力がある人
- 多様な価値観を受容しながら、皆と共同して推進していく力がある人
新卒で森ビルを志望する方は、これら3つの要素をどのような経験からアピールするかを考え、戦略的に選考に挑めると良いでしょう。
森ビルの初任給|総合職とビルマネジメント職で大きな違い
以下が森ビルの初任給と新卒1年目の年収イメージ(職種別)です。
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学部卒基本給 310,000円
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院卒基本給 340,000円
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学部卒基本給 230,000円
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高専卒基本給 220,000円
現役社員(2023年度入社)の方によると、総合職は、目安として基本給が370万円・ボーナスが50万円で、そこに残業代が加わり、新卒1年目(総合職)は年収が400~450万円程となる見込みのようです。
また、ビルマネジメント職は、目安として基本給が280万円・ボーナスが50万円で、そこに残業代が加わり、新卒1年目(事務職)は年収が300~350万円となる見込みのようでした。
森ビルの平均年収|業界平均の約2.6倍の年収
森ビルの2024年3月期の有価証券報告書より、森ビルの平均年収は「約955.6万円(43.5歳)」であることが分かりました。
また、dodaが発表した「業種分類別の平均年収ランキング」において、総合商社の平均年収は511万円でした。
そのデータと比較すると、森ビルの平均年収は業界平均の約2倍であることが分かります。
森ビルの福利厚生|六本木ヒルズ近くにお得に住める住宅支援制度!
森ビルの福利厚生紹介ページと現役社員へのインタビューから分かった、森ビルの福利厚生は以下の通りです。
- 単身用社宅
- 住宅補助
- テレワーク勤務
- スーパーフレックスタイム制度
- 積み立て休暇
- 育児休業
- 介護休業・休暇
- 妊産婦の通院休暇
- 保育園料補助制度
- 短時間勤務
- 産前産後休暇
- 産後パパ育休
- 子どもの看護休暇
- 企業年金制度
- 確定拠出型年金制度
- 財形貯蓄(住宅財形、年金財形、一般財形)制度
- 自己啓発休暇(積み立て休暇)
- 資格試験補助制度
- 通信教育制度
- 語学研修制度
- カフェテリアプラン
- マッサージ室
- EAPカウンセリング(メンタルヘルスケア体制)
- 保養所
- GLTD(団体長期障がい所得補償保険)
新卒で森ビルを志望する学生が気になる住宅支援制度について、借り上げ社宅は六本木・麻布といった港区にあり、月1.5万円で、地方からの上京組が住めるとのことです。
また、住宅手当は条件付きで8万円までの支給になります(住宅手当:1~3万円、防災要員手当:5万円)。
住宅手当の条件は、本社(六本木ヒルズ)の半径2.5km以内に住むこと、防災要員となり災害時に出勤をすることになります。
本社(六本木ヒルズ)の半径5km以内の場合は、住宅補助が1万円となります。
防災要員になると、災害時の訓練で休日の防災訓練への参加や休日の自宅待機要請への対応が必要になるとのことでした。
森ビルの新卒選考フロー | グループディスカッションが鬼門
2025年4月入社対象の森ビルの新卒採用については以下の選考フローで実施されましたが、年度によって変更される可能性はありますので、説明会などで直接情報収集をするようにしてください。
- エントリーシート
- WEBテスト
- グループディスカッション
- 一次面接(オンライン)
- 二次面接(対面@東京)
- 最終面接(対面@東京)
また、森ビルの選考は3月選考と6月選考の2クール制で実施されます。その他、海外留学生(正規留学や1年以上の留学)の採用を目的とした夏採用もあります。
まとめ
本記事では、森ビルの新卒採用について、採用大学や初任給から選考フローまで詳しく解説しました。
六本木ヒルズをはじめとする港区エリアの再開発事業に強みを持ち、数千億円単位の大規模再開発プロジェクトを推進している同社は、建物・インフラを創った後で、その価値を高めていくタウンマネジメントに特徴を持った総合デベロッパーです。
独身寮や家賃補助によって東京でも極めて人気の港区にお得に住むことができる上、平均年収は業界の2倍程度、30歳には年収1,000万円を見込めるなど、待遇として魅力的な環境が整っている、就活生から人気の企業です。
よくある質問
- 森ビルでは、配属はどのように決まる?
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数回の採用面接で、森ビルに入って実現したいキャリアプランや希望する分野などを聞き、さらに入社後の研修を通して本人の適性等を考慮し、総合的に決定されます。
- 森ビルには、ジョブローテーションがある?
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あります。森ビルでは、毎年1回の自己申告制度をもとに、概ね入社10年目までに複数の部署を経験し、不動産の幅広い知識とスキル、素養を身に付けていきます。その後は、各自の適性、キャリアプランをもとに人事異動を行われます。
- 森ビルには、みなし残業時間がある?
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ありません。残業代は1分単位で、残業した分だけ支払われます。また、残業代によって、忙しい部署とそうでない部署で100万円程年収に差が出るとの口コミもありました。