日本発でアジアを起点にグローバルなサービス提供をするアビームコンサルティング。
待遇の良いイメージのあるコンサルティング業界でビジネスを展開する同社で働く人々の年収はどれほどか、初任給はどれほどか、どんな福利厚生があるのか。
本記事では、そんな気になるアビームコンサルティングの待遇についてまとめました。是非、就職活動や転職活動の際の志望先選定にお役立ていただければと思います。
本記事のポイント
- アビームコンサルティングの平均年収は750~820万円!
- アビームコンサルティングの初任給は37万円、1年目の年収は460万円+ボーナス!
- アビームコンサルティングの福利厚生は必要最低限レベル
- アビームコンサルティングの平均残業時間は約35時間で業界では比較的ホワイトな環境!
アビームコンサルティングとはどんな企業?
待遇の情報に入る前に、まずはアビームコンサルティングの企業概要について紹介します。
アビームコンサルティングは、SAP導入や業務設計に強みを持った、戦略立案・構想策定から、業務改革・設計、システム開発・導入まですべての領域を手掛ける総合系コンサルティングファームです。
また、8,000名を超える従業員を抱えていたり、日本発ながらも世界に29拠点を構えていたりと、確かな規模を持ちながらグローバルにサービスを展開しています。
アビームコンサルティングのオフィス(東京)は、2023年より東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワーの中にあります。
執務スペースは、完全フリーアドレス制であったり、リモートワークや社外とのオンラインミーティングをシームレスに実施可能なオンライン設備があったりと、多様な働き方の尊重とボーダレスな働き方を実現しています。
また、以下では簡単に売上高なども紹介します。
まずはアビームコンサルティング(単体:グループ企業のアビームシステムズの売上を除く)の売上高と成長率、営業利益の推移です。
アビームコンサルティングは、2020年から2024年までの5年間で売上を約1.5倍に成長させてきました。
2021年は新型コロナウイルスの影響もあり、売上高がマイナス成長となってしまいましたが、その後は堅実な成長を遂げ、2023・2024年は二桁成長を遂げています。
また、2024年には売上高1,000億円越えの大台に乗っており、BIG4各グループの日本国内におけるコンサルティング部隊と比較しても引けを取らない規模であることが分かります。
年収や福利厚生は?アビームコンサルティングのリアルな待遇
このセクションでは多くの方々が一番気になるであろう年収や評価・昇進、福利厚生などと言った「リアルな待遇」の話を、実際の社員の方々へのインタビュー内容も含めて、具体的にまとめていきます。
気になるアビームコンサルティングの初任給は37万円!新卒1年目の年収は約446万円+年2回のボーナス!
まず、新卒で志望先を選ぶ際に気になるのは初任給がいくらかだと思います。
以下では、アビームコンサルティングの初任給をみなし残業時間と併せて競合他社であるBIG4と比較しながら見ていきます。
初年度年俸 | みなし残業(時間) | |
---|---|---|
PwC | 665万円 | 30 |
Baycurrent | 600万円 | 45 |
EY | 590万円 | 50 |
Deloitte | 580万円 | 50 |
KPMG | 570万円 | 50 |
IBM | 490万円 | 0 |
Abeam | 446万円 | 0 |
Accenture | 430万円 | 0 |
上記のデータ集計を行ったところ、みなし残業時間は0時間・初年度年俸(新卒1年目の年収)は約446万円であることが分かりました。
また、アビームコンサルティングの初任給は37万円(額面)です。
加えて、月給1か月分ほどの賞与が年に2回支給されること、みなし残業が付いておらず残業した分の残業代が支給されることを考えると、実質的な待遇としてはKPMG・デロイトあたりと並んでくるようなイメージでしょう。
現役社員の方によると、近年は業績ボーナスのような形で夏季の賞与が割増しになっているため、残業代次第では新卒1年目の年収が600万円前半に到達する方もいらっしゃるとのことでした。
アビームコンサルティングの新卒1年目が自由に使えるお金はどれくらい?
就活生が意外と分からないのが、新卒1年目にどんな生活をした場合にどのくらい手元にお金が残るのかではないでしょうか。
社会人になってから大きく分かれる「実家住み」と「一人暮らし」でざっくりと二分し、アビームコンサルティングにおける1年目の可処分所得を算出してみましたので、参考にしてみてください。
月給(手取り) | 生活費 | 可処分所得 | |
---|---|---|---|
実家住み | 28.5万円 | 8万円 | 20.5万円 |
一人暮らし | 28.5万円 | 20万円 | 8.5万円 |
※実家住みは月6万円、一人暮らしは月10万円の水道光熱費・食費とする
生活費は家賃や食費・水道光熱費など生活に必要最低限なもので算出し、可処分所得は月給から生活費を引いて算出しています。
かなりざっくりとした計算にはなりますが、自由に使えるお金は実家住みで20.5万円、一人暮らしで8.5万円となりました。
これにプラスして残業代が付いてくるイメージですので、比較的贅沢に暮らせるのではないでしょうか。
口コミ
「残業を全くしないようなプロジェクトだと少し物足りないときもありますが、ボーナスのタイミングで海外旅行に行ったり、少し贅沢をしたりと、生活自体にはとても満足しています。」
皆さんも是非、この可処分所得があるときに何をしたいか・どんな生活ができそうか、新卒1年目の生活をイメージしてみてくださいね。
業界内では年収低め?アビームコンサルティングの年収事情
次に、待遇として一番イメージする年収(給与)について、インターネット上に落ちている情報と実際の社員の声をまとめます。
主な給与系データを持つ3つの媒体において無料で公開されている平均年収をまとめました。
媒体 | 平均年収 |
---|---|
Openwork | 816万円 |
OpenMoney | 805万円(平均年齢29.8歳) |
エンゲージ 会社の評判 | 757万円(平均年齢32.2歳) |
上記のデータから、アビームコンサルティング全体での平均年収は750~820万円程であると推測されます。
この数字を踏まえると、アビームコンサルティングの平均年収はコンサルティング業界の平均年収(FCON算出)である945万円より低い年収水準にあるという評価になるでしょう。
ただ、日本全体の平均年収(400万円程度)を加味すると、給与はさすがコンサルティングファームといったところでしょう。
現役社員の方によると、2023年に非管理職のベース給与が10%ほどアップしたとのことでしたので、今後も全体的な年収アップが期待できそうです。
さらにアビームコンサルティングにおけるタイトル別年収の参考値をご紹介します。
上記は企業口コミサイト等のインターネット上に公開されている情報とPRACAREER運営にて行った現役社員3名へのヒアリングにて作成したタイトル別年収一覧表です。
必ずしも正しい数値というわけではありませんので、あくまでも参考値としてご活用ください。
現役社員の方によると、シニアコンサルタントになると残業時間によってはマネージャーよりも給与が高い場合があるとのことでした。
給与の仕組みは以下の通りです。
- 年収は基本給+残業代+賞与(夏・冬の計2回)で構成される
- 賞与は基準賞与と別にパフォーマンスに応じて変動する評価賞与、業績によって変動する決算賞与がある
ちなみに、タイトル内にはいくつかランクが存在しており、ランクが一つ上がると月収2万円・年収24万円増加、タイトルが上がると月収10万円・年収120万円増加のイメージであると伺っています。
実力次第でスピード昇進が狙える!アビームコンサルティングの評価・昇進事情
ここからは年収を大きく左右するアビームコンサルティングの評価や昇進事情について、インターネット上の情報や現役社員の方へのインタビュー内容を踏まえてまとめていきます。
まずはアビームコンサルティングにおける評価方法は以下の通りです。
- 半期の期初にプロジェクト内での目標を立てる
- 半期の期末にプロジェクトの上司から期初に立てた目標に対する達成度を5段階で評価される
- プロジェクトの上司とは別に部署の上司がカウンセラーとして付き、プロジェクトにおける自身の評価を評価会議にて説明し、最終的な評価が決まっていく
また、最終的な評価はマネージャー以上によって行われるため、結局は上司との関係性が大事との声もあります。
さらに、自身の担当カウンセラーの社内政治力・発言力も自身の評価に影響を及ぼす変数となっているとのことで、若干の不公平感を感じている社員もいらっしゃるそうです。
評価に際してはプロジェクト評価が9割とも言われるほど重要で、その他の社内活動についてはとりあえずミーティングに出席しておく程度であっても評価には特段響かないとのことでした。
次に、タイトルごとに「次のタイトルへの昇進に要する年数」をまとめました。
アナリストは基本的に1.5年でコンサルタントに昇格しますが、それ以降は早い人で3年ほどかけて昇格していくようなイメージであるとのことでした。
コンサルタント・シニアコンサルタントはタイトルの中に4つのランクがあり、1年毎にそのランクを上げていくようなイメージで昇進していきます。
飛び級制度も存在しており、良いパフォーマンスが継続的に出せている人は2ランクアップということもあるそうです。
シニアコンサルタントに滞留するメンバーも一部存在しているとのことで、やはり他ファームと同様マネージャーへのプロモーションは一定ハードルが高く設定されています。
必要最低限で期待はできない?アビームコンサルティングの主な福利厚生
次に、気になる福利厚生や休日・休暇についてまとめます。
福利厚生
- 各種社会保険完備
- 団体保険制度(医療保険、3大疾病サポート保険)
- 財形貯蓄制度
- 退職金制度
- 企業型確定拠出年金制度
- 外部カウンセリング(産業カウンセラーや臨床心理士の資格を持つカウンセラーによるカウンセリング)
- 健康保険組合カフェテリアプラン(5万円/年)
- ワークライフバランス支援制度(ベビーシッター補助券や育児クーポン券・外部保育園との法人提携、家事代行サービスの法人割引など)
- 出産祝い金(第3子以降100万円)
- リラクゼーションルーム(3回/月)
休日・休暇
- 完全週休2日制(土・日)・祝日・年末年始
- 慶弔休暇
- 年次有給休暇(初年度13日)
- マタニティ休暇
- 配偶者出産休暇
- 子育て支援休暇
- 介護休暇
- 子の看護休暇
- 裁判員休暇など
出産祝い金があることは他ファームにない特徴であると言えますが、その他の福利厚生については特筆すべきものはなく、必要最低限なものが整えられているレベルの印象です。
アビームコンサルティングはブラック企業?気になる働き方
未だにブラックなイメージのあるコンサルティング業界ですが、アビームコンサルティングは、いわゆるホワイト企業なのでしょうか。
結論、「比較的ホワイトに働ける環境」と言えるのではないでしょうか。
例えば、勤務時間に関して、Openworkは月平均34.5時間の残業があると算出しています。ここから、平均で1日1.5時間くらい残業をする試算になります。
アビームコンサルティングの所定労働時間が8時間であることを考えると、朝の9時半から出社/始業し、お昼休憩を経て20時頃に退社/終業するようなイメージでしょう。
また、現役社員の方は全員口を揃えて「プロジェクト次第だが…」という枕詞を付けており、毎日定時退社できるプロジェクトもあれば、土日を使っても間に合わないようなプロジェクトも存在しているようです。
プロジェクトによっては比較的ハードに働く必要があるため、瞬間的にブラックな働き方になってしまうことは頭に入れておいた方が良さそうです。
また、コンサルタントが何時間働くかでクライアントへの請求を行っているコンサルティングファームならではですが、残業をすることはプロジェクトの採算性(利益)を大きく圧迫することに繋がるため、暗にプロジェクトマネージャーからサービス残業をするように伝えられることもあるそうで、実態はかなりプロジェクトによって変わってきそうです。
まとめ
本記事では、アビームコンサルティングの待遇について詳しく見てきました。
同社は、日本発のコンサルティングファームとして、新卒1年目から「430万円+残業代+ボーナス2回」で500万円前半が期待できる高水準の年収を提供しています。
評価制度に関しては、プロジェクト評価が9割を占める成果主義を採用しており、カウンセラーや上司との関係性も重要な要素となっています。
福利厚生面では、出産祝い金など一部特徴的な制度はあるものの、全体的には必要最低限の整備にとどまっています。
働き方については、月平均34.5時間という残業時間は競合他社の中では少なめですが、プロジェクトによってはかなりハードな働き方を求められることもあります。
是非、これらの情報を参考にしていただき、アビームコンサルティングの志望を考えてみてください。
よくある質問
- アビームコンサルティングではフルリモートでの稼働は可能ですか?
-
可能です。しかし、プロジェクトによってはクライアント先への常駐が必要であったりするため、アサイン先は少し限られてしまう可能性があるとのことでした。
- アビームコンサルティングに入るにはどれくらいの英語力が必要ですか?
-
入社のために英語は必要ありません。アビームコンサルティングの採用サイト上で「選考において英語力は問いません。」との表記があります。
- アビームコンサルティングでは副業はできますか?
-
可能です。イノベーションの創出につなげることを目的とした副業制度があります。