世界4大監査法人であるBIG4の1つ、Deloitte Touche Tohmatsu(デロイトトウシュトーマツ)のブランドを冠するデロイトトーマツコンサルティング合同会社。
総合コンサルティングファーム業界の中において確かな存在感を発揮する同社で働く人々はどれだけの待遇を得ているのか。
本記事では、そんな気になるデロイトトーマツコンサルティングの待遇についてまとめました。是非、就職活動や転職活動の際の志望先選定にお役立ていただければと思います。
本記事のポイント
- デロイトトーマツコンサルティングの平均年収は約950-990万円!
- デロイトトーマツコンサルティングの新卒1年目の年収は580万円!
- デロイトトーマツコンサルティングの福利厚生は必要最低限で少し物足りないかも
- デロイトトーマツコンサルティングの平均残業時間は約55時間でBIG4最長
デロイトトーマツコンサルティングとはどんな企業?
待遇の情報に入る前に、まずはデロイトトーマツコンサルティングの企業概要について紹介します。
デロイトトーマツグループのコンサルティング部隊である「デロイトトーマツコンサルティング」は、国内で6拠点(半導体拠点も含む)・約5,100名を抱え、日本全国の名だたる企業に対して幅広くサービスを提供しているコンサルティングファームです。
また、デロイトトーマツグループには主に監査を行う有限責任監査法トーマツや、税務を行うデロイト トーマツ税理士法人、リスクアドバイザリーを専門とするデロイトトーマツリスクアドバイザリー合同会社があり、それぞれが必要に応じて連携しながらサービスを提供しており、そのような様々なプロフェッショナルサービスが一つのグループの中にあることで、クライアントに対するワンストップサービスを実現しています。
デロイトトーマツコンサルティング合同会社のオフィス(東京)は、丸の内二重橋ビルディングの中に入っており、皇居を一望できる眺望と貸会議室などを持った高機能オフィスで、多くのプロフェッショナルが働いています。
デロイトトーマツグループの「トーマツ」とは、元日本海軍主計少将で、戦後に公認会計士となり、有限責任監査法人トーマツを創設した「等松 農夫蔵」の苗字であり、BIG4の中で唯一日本人の名前を冠するファームなんです!
また、以下では簡単に売上高なども紹介します。
まずはデロイトトーマツコンサルティングがメンバーであるデロイトトーマツグループの売上高と成長率の推移です。
デロイトトーマツグループは、2019年から2023年までの5年間で売上を1.5倍に成長させてきました。
また、2021・2022年はいわゆる二桁成長を遂げていましたが、2023年は前年比7%成長にとどまってしまっており、その成長スピードは鈍化していることが分かります。
新卒1年目の初任給や福利厚生は?デロイトトーマツコンサルティングのリアルな待遇
このセクションでは多くの方々が一番気になるであろう年収や評価・昇進、福利厚生などと言った「リアルな待遇」の話を、実際の社員の方々へのインタビュー内容も含めて、具体的にまとめていきます。
気になるデロイトトーマツコンサルティングの初任給は?
まず、新卒で志望先を選ぶ際に気になるのは初任給がいくらかだと思います。
以下では、デロイトトーマツコンサルティングの初任給をみなし残業時間と併せて競合他社であるBIG4と比較しながら見ていきます。
初年度年俸 | みなし残業(時間) | |
---|---|---|
PwC | 650万円 | 30 |
EY | 590万円 | 50 |
Deloitte | 580万円 | 50 |
KPMG | 570万円 | 50 |
上記のデータ集計を行ったところ、見込み残業時間は50時間・初年度年俸(新卒1年目の年収)は約580万円で、待遇で見るとBIG4の中では3番目のファームという結果になりました。
また、デロイトトーマツコンサルティングでは年俸提示額の15分の1が月収となることを踏まえると、初任給は約42万円(額面)になる計算になります。
デロイトトーマツコンサルティングの新卒1年目が自由に使えるお金はどれくらい?
就活生が意外と分からないのが、新卒1年目にどんな生活をした場合にどのくらい手元にお金が残るのかではないでしょうか。
社会人になってから大きく分かれる「実家住み」と「一人暮らし」でざっくりと二分し、デロイトトーマツコンサルティングにおける1年目の可処分所得を算出してみましたので、参考にしてみてください。
月給(手取り) | 生活費 | 可処分所得 | |
---|---|---|---|
実家住み | 32万円 | 8万円 | 24万円 |
一人暮らし | 32万円 | 20万円 | 12万円 |
※実家住みは月6万円、一人暮らしは月10万円の水道光熱費・食費とする
生活費は家賃や食費・水道光熱費など生活に必要最低限なもので算出し、可処分所得は月給から生活費を引いて算出しています。
かなりざっくりとした計算にはなりますが、自由に使えるお金は実家住みで24万円、一人暮らしで12万円となりました。
新卒1年目でこれだけのお金が手元に残るのであれば、比較的贅沢に暮らせるのではないでしょうか。
口コミ
一人暮らしだとちょっと物足りない感じがするが、年2回のボーナスで海外旅行をするなど、それなりに楽しめています。
皆さんも是非、この可処分所得があるときに何をしたいか・どんな生活ができそうか、新卒1年目の生活をイメージしてみてくださいね。
業界内でも給与高め?デロイトトーマツコンサルティングの年収事情
次に、待遇として一番イメージする年収(給与)について、インターネット上に落ちている情報と実際の社員の声をまとめます。
主な給与系データを持つ3つの媒体において無料で公開されている平均年収をまとめました。
媒体 | 平均年収 |
---|---|
Openwork | 956万円 |
OpenMoney | 968万円(平均年齢30.5歳) |
エンゲージ 会社の評判 | 985万円(平均年齢33.3歳) |
上記のデータから、デロイトトーマツコンサルティング全体での平均年収は950~990万円程であると推測されます。
この数字は、コンサルティング業界の平均年収(FCON算出)である945万円よりやや高い年収水準にあるという評価になるでしょう。
ただ、日本全体の平均年収(400万円程度)を加味すると、給与はさすが外資系コンサルティングファームといったところでしょう。
さらにデロイトトーマツコンサルティングにおけるタイトル別年収の参考値をご紹介します。
上記は企業口コミサイト等のインターネット上に公開されている情報とPRACAREER運営にて行った現役社員3名へのヒアリングにて作成したタイトル別年収一覧表です。
必ずしも正しい数値というわけではありませんので、あくまでも参考値としてご活用ください。
給与の仕組みは以下の通りです。
- 給与は年俸制である
- 年俸提示額の1/15が各月給として支給(12/15)され、1.5/15が年2回賞与として支給(3/15)される仕組みとなっている
- 8月と2月が賞与支給タイミングである
- 別途個人の評価に応じたインセンティブも存在し、2月に固定のボーナス(1.5か月分)に追加して支給される
実力次第でスピード昇進が狙える!デロイトトーマツコンサルティングの評価・昇進事情
ここからは年収を大きく左右するデロイトトーマツコンサルティングの評価や昇進事情について、インターネット上の情報や現役社員の方へのインタビュー内容を踏まえてまとめていきます。
まずはデロイトトーマツコンサルティングにおける評価方法は以下の通りです。
- 従業員1名に対して2名の評価者がつき、四半期ごとに評価が行われる
- 評価においては「タレントスタンダード」と呼ばれるコア・コンサルタントスキルの評価軸が用いられる
- 評価期間中の各プロジェクトにおける評価はそのプロジェクトのマネージャーがつけており、それを基に最終的な評価が決まっていく
また、評価について以下のポイントも明らかになっています。
- マネージャー未満(ビジネスアナリスト・コンサルタント・シニアコンサルタント)は年2回の昇進タイミングがある(8月と1月)
- 評価が良ければ同じマネージャーと仕事することが多くなり、評価も上がりやすい印象がある
評価の内容については、フィードバック面談において「なぜその評価なのか」が説明されるとのことで、納得感はあるとのお話をいただきました。
次に、タイトルごとに「次のタイトルへの昇進に要する年数」をまとめました。
コンサルティングファームと聞くと、成果主義でパフォーマンスが出せない人は退職が迫られる「Up or Out」という言葉を想起する方も少なくないでしょう。
実際の昇進ペースはどうなのか、新卒で入社した場合のパターンについて、スタッフからマネージャーまでに限りますが、現役社員の方に伺いました。
ハイパフォーマーの昇進スピード | 一般的な昇進スピード | |
---|---|---|
アナリストからコンサルタント | – | 1年強(トレーニング期間として設定してあり、スキップ不可) |
コンサルタントからシニアコンサルタント | 1年 | 3年 |
シニアコンサルタントからマネージャー | 1年 | 3年 |
早い人では4年目でマネージャーに上がる方もいらっしゃるとのことで、成果主義というイメージは間違いないようですね。
しかし、できなければ退職を迫られるような「Up or Out」ということはなく、持ち前の育成力を持ってしっかりと育てていく文化があるとのことでした。
「今の自分に自信がない」という方であっても、活躍できるポテンシャルさえ示せればデロイトトーマツグループの育成力によって一流のプロフェッショナルとして立ち上がれるはずです!
必要最低限で期待はできない?デロイトトーマツコンサルティングの主な福利厚生
次に、気になる福利厚生や休日・休暇についてまとめます。
福利厚生
- 各種社会保険完備
- 企業年金基金
- 退職金制度
- 総合福祉団体定期保険
- 財形貯蓄制度
- 定期健康診断
- 保養施設利用補助
- カフェテリアプラン(2万円程度/年)
- 自己啓発支援
- 英語学習プログラムの受験料負担制度
- 資格補助制度(資格受験料・資格維持費用を負担)
- フレキシブルワーキングプログラム(FWP)
- 適用者の事情・状況に応じて、勤務時間や勤務条件などを個別に設定することができる制度で、育児・介護・不妊治療をはじめ、大学院との両立など、事由を問わず利用可能。(※一部制約があります)
- 各種両立支援
- 上記FWPに加えて、育児支援施策としては、シッター費用補助や無料コンシェルジュサービス等を利用可能。また、介護支援施策としては、ヘルパー利用補助等を利用可能。
休日・休暇
- 土日祝日
- 年末年始
- 年次有給休暇
- 夏期休暇
- 特別有給休暇
フレキシブルワーキングプログラム(FWP)やベビーシッター費用補助等、環境に合わせて自由な働き方を叶える制度が多数揃っている一方で、家賃補助や社員寮はなく、日系の大企業と比較すると生活のコストはかさみそうですね。
その他の福利厚生については特筆すべきものはなく、必要最低限なものが整えられているレベルの印象です。
デロイトトーマツコンサルティングはブラック企業?気になる働き方
未だにブラックなイメージのあるコンサルティング業界ですが、デロイトトーマツコンサルティングは、いわゆるホワイト企業なのでしょうか。
結論、基本的には「ホワイトとブラックの間くらいの環境」と言えるのではないでしょうか。
例えば、勤務時間に関して、Openworkは月平均55.5時間の残業があると算出しています。ここから、平均で1日2.5時間くらい残業をする試算になります。
デロイトトーマツコンサルティングの所定労働時間が7時間であることを考えると、朝の9時半から出社/始業し、お昼休憩を経て20時頃に退社/終業するようなイメージでしょう。
ちなみに、Openwork上の情報をまとめたところ、BIG4において時間外労働時間が最も多いのがデロイトトーマツコンサルティングでした。
また、現役社員の方は全員口を揃えて「プロジェクト次第だが…」という枕詞を付けており、毎日定時退社できるプロジェクトもあれば、土日を使っても間に合わないようなプロジェクトも存在しているようです。
スタッフ層においては、育児のためであったりと個人の特別な事情がある場合、チームメンバーがカバーするように動いていくとのことですが、どうしてもプロジェクトが佳境に入ってくると個人の事情は我慢せざるを得ないこともあると伺いました。
ただ、プロジェクトが終わった後でまとめて1-2週間の休暇を取ることが可能であることから、メリハリをつけた働き方をしたい方にとっては理想的な環境と言えるでしょう。
まとめ
デロイトトーマツコンサルティングの待遇について詳しく見てきましたが、新卒1年目から年収580万円という高水準な給与と金銭面での魅力は非常に高いことが分かりました。
働き方に関しては、フレキシブルワーキングプログラム(FWP)を筆頭に、育児・介護支援やリモートワークなど、社員一人一人のライフスタイルに合わせた柔軟な制度が整備されています。
また、プロジェクト終了後にまとめて1-2週間の休暇を取得できるなど、メリハリのある働き方も実現可能です。
一方で、月平均55.5時間という残業時間や、プロジェクトの繁忙期には個人の事情よりも業務が優先されることもあるなど、コンサルティングファームならではの課題も存在します。
総じて、高い報酬を得ながらキャリアを築きたい方、かつ、時には激務もこなせる体力と精神力がある方にとっては、非常に魅力的な選択肢となるのではないでしょうか。
是非、これらの情報を参考にしていただき、デロイトトーマツコンサルティングの志望を考えてみてください。
新卒でデロイトを目指す学生からよくある質問
- デロイトトーマツコンサルティングではどのくらいの英語力が必要ですか?
-
募集要項において英語力に言及されている部分はありませんので、英語力は必須ではないでしょう。
実際、新卒社員の方に伺う中でも英語が全く話せない同期はいるとのことですので、英語力がないために選考で落とされることはないでしょう。 - デロイトトーマツコンサルティングではMBA留学の支援はありますか?
-
MBA留学の支援はありません。資格取得など、各種自己研鑽の支援のみにとどまります。
- デロイトトーマツコンサルティングは成果主義ですか?
-
成果主義の評価体系ではあるものの、定性的なパフォーマンスに対する評価であるため、プロジェクトや上司次第で評価が変わり、社内政治も重要視されます。
パフォーマンスが出せていればどんどん昇進していき、4~5年目でマネージャーに昇格する方もいらっしゃるようです。 - デロイトトーマツコンサルティングでは部署移動が可能ですか?
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部門異動については公募での異動制度を取り入れており、年に2回上長の承認なく応募いただくことが可能です。
またデロイト トーマツ グループ内のグループ公募と呼ばれる公募制度においては、デロイト トーマツ グループ全体での異動機会が開かれており、要件を満たした方であれば、上長承認なしに応募することが可能で、多様な成長機会へのチャレンジを後押ししているとのことです。