EYストラテジー・アンド・コンサルティングについて、給与等の待遇から働き方まで、就活生が知っておくべき情報の全てをまとめています。
事業会社の3倍のスピードで成長できるとも言われるコンサルティング業界。給与が他業界と比較して高いこともあり、昨今、多くの就活生が目指す業界です。
今回は、その中でも、世界4大監査法人の1つ、EY(アーンスト・アンド・ヤング)のブランドを持ち、総合コンサルティングファームとして幅広いサービスを展開している、EYストラテジー・アンド・コンサルティングについて、就活生の皆さんの代わりに「就活生が知っておくべき情報の全て」を徹底的にリサーチし、まとめました。
是非本記事をご活用いただき、就職活動を効率的に進めていただければと思います。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングとはどんな企業?
まずは、EYストラテジーアンドコンサルティングとはどんな企業なのかについて、企業の概要からこれまでの成長、そしてこれからの方向性について行ったリサーチを踏まえ、就活生の皆さんの代わりに必要な情報をまとめました。
同社を志望するか否かを意思決定したり、志望動機を作るために十分な材料が揃っていますので、是非じっくりお目通しいただければと思います。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの企業概要
以下がEYストラテジーアンドコンサルティングの企業概要です。EY Japanのコンサルティング部隊の同社ですが、約4,000人と多くの人員を抱えており、拠点も国内に3つ構えるなど、日本国内で幅広くサービスを提供していることが伺えますね。
企業名 | EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 英文名称:EY Strategy and Consulting Co., Ltd. |
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代表者(代表取締役社長) | 近藤 聡 |
所在地(オフィス) | ・東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワー(東京都千代田区有楽町一丁目1番2号) ・大阪梅田ツインタワーズ・ノース38階(大阪府大阪市北区角田町8番1号) ・天神ビジネスセンター6階(CROSSCOOP福岡)(福岡県福岡市中央区天神一丁目10番20号) |
従業員数 | ・4,052名(2024年9月1日時点) ※EY Japan:11,774名(2023年6月時点) ※EY(グローバル):395,442人(2023年6月時点) |
また、EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、EYのグローバルネットワークのアジア・パシフィックエリアにおいて、最大のリージョン(国)であります。
そんなEYストラテジー・アンド・コンサルティングは、独立した法人として、EY Japanの各法人(EY新日本有限責任監査法人、EY税理士法人等)と連携しながら、主に「Strategy and Transactions」と「Consulting」のサービス(以下参照)を提供しているようです。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングのオフィス(東京)は、上述の通り東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワーの中に入っており、スカイラウンジやスカイガーデン、そしてフィットネスジム(有料会員制)があるような、極めて高機能なオフィスとなっているようです。
EY Japanのオフィスツアー(以下参照)も公開されていますので、是非ご覧いただき、EY Japanのプロフェッショナルの一員として働くイメージを湧かせてみてください。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの主要サービスといえば?
このセクションでは、企業概要にてざっくりとご紹介したEYストラテジー・アンド・コンサルティングの主要サービスについて、「就活生にとって必要な情報」という視点から深ぼっていきます。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングのサービス一覧は以下の通りです。
業界別に分かれている「セクター」と、独立した「金融サービス」、そして名前の通りその垣根を超えたサービスラインの「クロスセクター」が横軸にあります。
その他ソリューション系の「ストラテジー・アンド・トランスフォーメーション」「M&A」「リスク」「テクノロジー」「ピープル」がソリューション系(コンピテンシー)のサービスとしてあるようです。
総合コンサルティングファームだけあって、その内側には様々な種類のコンサルティングサービスが存在していますね。
また、それぞれのセクター(横軸)とコンピテンシー(縦軸)がコラボレーションすることでクライアントに価値発揮をする、コンサルティングファームにありがちなマトリクス型組織が採用されています。
それぞれのサービスの概要は以下の通りです。
ざっくりと目を通して、入社したら関わりたいサービスをイメージしてみてください。
サービス | 概要 |
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セクター | 金融、医薬医療、TMT、公共・社会インフラ、エネルギー、消費財・小売流通、自動車、金融といったセクター別の専門チームは、企業の経営課題を引き出し、各領域とのコラボレーションを図ることで解決へと導きます。 |
クロスセクター | ストラテジックインパクト:国家戦略アドバイザーを務める専門家が構成するチームで、安全保障やサイバーセキュリティなどの分野で活動します。 ストラテジックバリューエンハンスメント(SVE):企業価値の向上に特化し、戦略策定から実行支援までを行います。 ジャパンアウトバウンドビジネス(JOB):日本企業の世界マーケットでのビジネス展開を支援するチームで、EYグループの国際的なネットワークを活用します。 |
ストラテジー・アンド・トランスフォーメーション | ストラテジー・アンド・トランスフォーメーションでは、市場・競合分析や顧客調査、データアナリティクスから得たインサイトをもとに、ストラテジーのプロフェッショナルが実行可能な成長戦略、新規事業戦略、M&A戦略、DX戦略等の策定を担います。 またそれを実現するためのM&A、組織再編や、顧客体験、サプライチェーン、ファイナンスといったビジネス変革を一気通貫で支援します。 |
M&A | EYのプロフェッショナルが持つ知識・経験・ネットワーク等を駆使し、クライアントのビジネスにおけるM&A等を用いた成長又は出口戦略の策定、適切な取引相手の発掘、売買対象の調査及び適切な価値の把握、取引相手との条件交渉などを行います。 |
リスク | 経営環境は著しく変化し続け、未来への不確実性が増しています。持続的な企業価値の維持と向上を目指すクライアントに対して、様々なステークホルダーからの信頼を獲得するための経営方針とデジタル戦略に係るリスク対応について、実効性を重視したソリューションを提供しています。 |
テクノロジー | テクノロジーの戦略策定から導入支援、エマージングテックの活用まで包括的に支援。目まぐるしく変化するテクノロジーを正しく適用し、企業の競争力を強化しています。 |
ピープル | 人事・組織変革戦略立案から組織・人材マネジメントの実践を支援。人を中心に考えることで(humans@center) 企業価値の最大化に貢献しています。 |
各チームの詳細はEYストラテジー・アンド・コンサルティングの採用ブローシャ―(2024)に記載されているので、どの部署でどのようなことをしたいか、まで解像度を上げて志望動機を語れるよう、興味のある部署については追加でリサーチをすることをおススメします。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングのこれまで
次に、EYストラテジー・アンド・コンサルティングが公開している情報より、EYストラテジー・アンド・コンサルティングがどのような成長を遂げてきて、現状どのような状態になっているのかを紐解きます。
売上高 (2023年度) | 約1,949億円 ※EY Japan全体 |
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過去4年間のCAGR (年平均成長率) | 10.6% ※市場平均4.0%(2019年~2024年) |
まずはスナップショット的にEY Japanの売上とCAGRを見ていくと、売上は約2,000億円、過去4年間のCAGR(年平均成長率)は10.6%でした。
CAGRが示すように、2019年から売上高を約1.5倍に伸ばしており、着実にグループとして成長していることが伺えます。
EY Japanの中で、約半数の人員がEYストラテジー・アンド・コンサルティングのプロフェッショナルとして在籍していることから、上記の売上の約半数ほどがコンサルティング部隊の稼ぎとなっているのではないかと推測されます。
これは「プロジェクト・ドラゴン」という国内のEYの売上高の割合を監査業務と非監査業務で50:50にするという目標を掲げた中期計画の達成によるものです。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングのこれから
さらに、リーダーメッセージ等からEYストラテジー・アンド・コンサルティング(またはEY Japan)が今後どのような戦い方をしてコンサルティング業界で成長を遂げようとしているのかについて、リサーチしました。
まず、リーダーである近藤聡社長がダイヤモンドオンラインの「コンサル大解剖」のシリーズの中で、今後の戦い方について言及していましたので、そこからいくつかポイントをピックアップします。
- デロイトやPwCのような競合に規模でキャッチアップしようとは思わない
- テクノロジー系については後発であり、GAFAやセールスフォースなどの大手IT企業の監査をしていることからも、アライアンスビジネスが制限されてしまう
- だからこそ、いままでテクノロジーとは全く違うビジネスコンサルのポートフォリオにフォーカスし、そこで成長してきた
- この方向感は全く変わらず、次の中期計画においても自分たちが差別化するための要素として位置付けている
- 次の最大の目標は、他社に追いつくために何かをするというよりも、グローバルのEYの中でジャパンをもっと光り輝くものにすること
- 以上を踏まえ、今後は国内の売り上げと国内企業のアウトバウンドでの売り上げを足したGTER(グローバル・トータル・エンゲージメント・レベニュー)を重要指標とし、グローバルも重視していく
これらのポイントを踏まえると、グローバルに軸足を置いたピュアなビジネスコンサルティングのポートフォリオに焦点を当てたサービス提供によってEYグループの中で存在感を増していく、という方向感での計画を持っていることが推測されます。
採用という文脈からは、グローバル人材(国際経験が豊かな人材、語学力が高い人材)の採用が強化されるのではないでしょうか。
面接では、上記で述べたようなEYストラテジー・アンド・コンサルティングの中期計画におけるポイントを理解し、その中で自分がどのような活躍ができるのかを述べられると、高い評価が得られそうですね。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの社風・組織文化とは?
日本国内で急拡大しているEYストラテジー・アンド・コンサルティングですが、その内側にはどのような社風・組織文化があるのでしょうか。
本記事では、実際の社員の声や企業の公開情報を基にEYストラテジー・アンド・コンサルティングの社風・組織文化を明らかにしていきます。
Openwork 会社評価スコア | 4.04(上位1%) |
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会社評価スコア最上位の項目 | 法令順守意識(4.1/5.0) 風通しのよさ(4.1/5.0) 20台成長環境(4.1/5.0) |
会社評価スコア最下位の項目 | 人材の長期育成(3.1/5.0) |
PRACAREER運営にて作成した上記のOpenworkにおける各指標のBIG4比較から、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの特徴を探っていきます。
総合指標はBIG4において3位ですが、「風通しのよさ」ではPwCに次いで2位となっています。
日本国内においては後発ファームである同社ではありますが、組織やカルチャーへの投資からこのような結果となっていると考えられます。
また、「人材の長期育成」は相対的に課題があるようですが、この項目はBIG4各社とも相対的に低いスコアとなっており、人の出入りが激しいコンサルティングファーム全体における特徴と言えるでしょう。
加えて、下位2社であるKPMGとEYに見える傾向として、「待遇面の満足度」と「人事評価の適正感」が低いことが挙げらます。
これは、クライアントのニーズに沿って比較的タフな仕事を遂行しているものの、自身の働きが適正に評価されず、待遇にも跳ね返ってこないというケースがあるからではないでしょうか。
次に、EYが出している定性的な情報からEYストラテジー・アンド・コンサルティングのカルチャーを探ります。
まず、EYのカルチャーとして大きく掲げられているのが合議制というものです。代表の近藤氏のメッセージの中に、以下のような記述があります。
リーダーシップのアポイントメントや投資などの重要な意思決定に際し、合議制がカルチャーとして根付いており、穏やかで建設的な議論をする風土がある。コーポレーション型や純粋なパートナーシップ型意思決定でもない、理想の世界観を目指し、実行している。
ダイヤモンドオンラインの中でも近藤氏はこの合議制に触れつつ、「コンサルティングファームで求められるトークストレートはあまり表立っておらず、それよりも相手を凄くリスペクトして本当に合議的にいろんなことを決めていく」との発言をされており、この合議制が根強いカルチャーであることが分かります。
上記のリーダーメッセージでも触れられている「Diversity, Equity & Inclusiveness(DE&I)」についても、EYは大きな特徴を持ちます。
DE&I関連での受賞も多々あり、その特徴を裏付けるエビデンスとなっていますね。
新卒入社の現役社員が語る、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの良いところ・悪いところは?
また、本記事をまとめるにあたり、PRACAREER運営チームではEYストラテジー・アンド・コンサルティングの現役社員の方3名にインタビューを行いました。
その中で印象的であった「EYストラテジー・アンド・コンサルティングの良いところ・悪いところ」について、簡単ではありますが、以下にまとめます。
良いところ(強みや好きなところ) | 悪いところ(不満や改善点) | |
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(男性、新卒3年目、ビジネスコンサルタント) | Aさん関わる人の共通項として挙げられるのは「温厚」であることで、協調性をとても大事にしている文化がある | PMO(プロジェクト管理)の役割を担うことが多く、各種テーマの専門性を発揮するプロジェクトになかなかアサインされないことがある |
(女性、新卒6年目、ビジネスコンサルタント) | Bさんグローバルの垣根を超えたコラボレーションが強み(グローバル社員にチャットを飛ばすと即レスしてくれた)で、EY全体としての価値提供ができると感じる | チーム次第で働き方が大きく変わる傾向にあり、安定感を求める身としては少し辛さを感じる場面もある |
(女性、新卒2年目、ビジネスコンサルタント) | Cさん職階に関係なく意見ができる風通しのよさがあり、心理的安全性の高い環境である ・他ファームに行った大学同期と話すと、グローバル案件が多いのではと思う | プロジェクトによってはかなりハードなレベルの残業がある(残業が付けれないことも多々あり) |
良いところで印象的だったことは、「穏やか」であったり「協調性」といった言葉が皆さんから聞こえてきたことでした。
ギスギスして冷たいイメージのあるコンサルティング業界において、そのような言葉が出てくるのはEYストラテジー・アンド・コンサルティングのユニークなカルチャーを示していますね。
また、インタビューを通じて「グローバル」も一つキーワードであると感じました。
実際に、代表の近藤氏のメッセージの中にも以下のような文言が含まれています。
Most Globally Connected
最もGlobalにコネクトしているPurposeを堅持していくための、中期的なファームの戦略や年次の計画立案のプロセスがGlobalと密接に連携する形で実行され、各プロフェッショナルの目標設定が、Globalの市場で活躍するクライアントにとって最適となるものとして設定されており、国やサービスラインの境界が極めて低い。
一方、悪いところに関しては「働き方」に関する言及が多かった印象です。
プロジェクトやチーム次第ではあるものの、ハードな残業やサービス残業があったり、コミュニケーションスタイルが変わったりと、コンサルティング業界あるあるをそのまま体現したような内容がインタビューを通じて聞こえてきました。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの組織文化をまとめると、
- グローバルな人材が多く所属するなど多様性に溢れた環境ながらも、協調性と穏やかな雰囲気を持った組織である
- 評価(制度)への不満や上司のスタイルによる働き方の変化など、後発ファームならではの組織の若さともいえる課題を抱えている
と言えるでしょう。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの業界内ポジション(競合比較)
先ほどはEYの純粋な売上高や従業員数について触れましたが、ここではさらに深ぼって「EYは競合と比べてどのような特徴があるのか」についてまとめていきます。
まずは数字として大きな違いが表れる売上等の数値に着目して比較します。
上記は、競合として比較される、かつ就活生にとって違いを述べることが難しいBIG4(世界4大監査法人)の各日本グループのFY23(2023年度)における、売上高(億円)・従業員数・一人当たり売上高を示したバブルチャートと表です。
バブルチャートの縦軸は一人当たり売上高、横軸は売上高、バブルサイズは従業員数を示しています。
このバブルチャートと表より、純粋な売上高ではデロイトトーマツグループがBIG4をリードしており、EYは3位に位置していることが分かります。
一人当たり売上高はBIG4において最も低い現状にありますが、後発ファームとしての弱みを早急に払しょくするため、まずはクライアントとの関係性構築からという意味で、比較的安くプロジェクトを請け負っている可能性もあるのではないでしょうか。
次に、EYと他社の定性的な違いについて触れていきます。
就活生として理解しておくべき情報は、各社のパーパス(その企業の社会における存在意義を指した言葉)でしょう。
こちらも売上比較と同様、競合としてBIG4各社のパーパスと横並びで見ていき、その中でのEYの特徴を深ぼっていきます。
社名 | パーパス |
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PwC | Build trust in society and solve important problems. (社会に信頼を構築し、重要な課題を解決する) |
Deloitte | Make an impact that matters. (クライアントにとって、社会にとって、メンバーひとり一人にとって、最も価値あることをもたらすために日々挑戦を続ける) |
KPMG | Inspire confidence and empower change. (社会に信頼を、変革に力を) |
EY | Building a better working world. (より良い社会の構築を目指して) |
内容としてはそれぞれが崇高なパーパスを掲げており、大きな違いはないように見えますよね。
しかし、EYはBig4の中で初めてPurpose Statement(ファームの存在意義を示す)を掲げたファームとして知られており、パーパスを中心に掲げた経営を進めているようです。
実際に「信頼を揺るがす要素はないか。高品質のサービス提供を通じて長期的価値を社会にもたらすことができるか。」といった視点がサービス締結前のレビューに組み込まれている等、競合と比較しても最も「パーパスドリブンな経営」ができているコンサルティングファームと言っても過言ではないでしょう。
加えて、昨今EYブランドは、国内・外問わず新卒学生を惹きつけているようです。
例えば、ユニバーサム社が2024年に発表した「世界で最も魅力的な就職先」においてEYが10位にランクインしていたり、AERAの東京大学の学部卒の人気就職先ランキング(2023年)においてEYストラテジー・アンド・コンサルティングが1位にランクインしています。
上記のランキングだけでなく、その他の就職人気ランキング系でもEYストラテジー・アンド・コンサルティングは軒並み上位にランクインしている現状を踏まえると、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの就職難易度は極めて高いと言えるでしょう。
これらのことから、EYストラテジー・アンド・コンサルティングは後発ファームということもあり、売上等の指標は国内のBIG4において下位であるものの、他社と比べてもパーパスドリブンな経営を行いながら、これからの飛躍に向けて優秀な人材を獲得している最中である、ということが見えてきました。
社員に聞いた!新卒1年目の主な業務内容
これを見てくださっている方は主に新卒でEYストラテジー・アンド・コンサルティングを受けようか否かを考えている就活生の方々だと思います。
そして多くの就活生の方々がイメージしきれないのが実際の業務内容ではないでしょうか。
そこで、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの現役社員3名から実際に伺った「新卒1年目の主な業務内容」についてまとめます。
若手スタッフのプール組織「ACG」でコンサルタントとしての腕を磨くEYでの1年目になりそうです。
※テクノロジーコンサルタントは「TCG」
業務内容 |
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クライアント/チーム内の会議日程調整 クライアント会議での議事録作成 フォルダ/ファイルの整理 上長の補佐としての資料作成やデータ集計/分析 クライアント会議での担当パートのプレゼンテーション etc… |
1年目は若手スタッフのプール組織である「ACG」で、様々なプロジェクトにアサインされ、上記のような一般的なコンサルティングファームの新卒1年目が担う業務を担当するとのことでした。
例えば、クライアント会議での議事録作成やクライアントとの日程調整、プロジェクトチームで活用するフォルダの整理・管理等が具体的な業務にあたります。
また、業務に慣れてくるとクライアント会議でのファシリテーションを任せてもらうようなこともあるようです。
このように、1年目はイケイケなイメージがある外資系コンサルティングファームであっても、泥臭い地道な作業が求められることが多い現状にあるようです。
しかし、個人の力量やプロジェクトによっては会議全体のファシリテーションを担ったり、クライアントに出すデータ分析資料をリードとして作成したりすることもあるようですので、しっかりとコンサルタントらしい仕事のチャンスも手に入れることができるようでした。
どんなプロジェクトがある?EYストラテジー・アンド・コンサルティングの支援事例
1年目の具体的な仕事内容は上記の通りですが、関わるプロジェクトのテーマはどのようなものがあるのでしょうか。
今回はEYストラテジー・アンド・コンサルティングが公開している情報の中からいくつか就活生なら知っておくべきプロジェクトの事例を以下にまとめます。
クライアント | 概要 |
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コスモエネルギーホールディングス株式会社 | コスモエネルギーホールディングス株式会社(以下、コスモエネルギーホールディングス)は、非財務情報(数値化された財務データ以外の企業情報)の収集・管理プロセスをシステム化。財務と非財務を一体化させたデータドリブンなサステナブル経営を推進し、企業価値向上の好循環を目指しています。 |
ライフネット生命 | ライフネット生命はEYと連携し、2023年度からIFRSの第17号に移行しました。日本基準との大きな違いは、保険契約における繰延収益の決算処理。より実態に則した開示を行い、ステークホルダーとの健全な信頼関係を築くために、業界に先駆けて適用を決めました。 |
シスメックス株式会社 | 人的資本経営に注力するシスメックス株式会社は、人的資本戦略と経営・事業戦略を一体として取り組むことで、企業の成長を推し進めてきました。コロナ禍による働き方の変化や、DX、ESG投資への注目度が高まるなか、EYと連携することでより一層、人的資本を企業価値の向上につなげています。シスメックスにおける取り組みやアプローチを紹介します。 |
株式会社ジャパネットホールディングス | 長崎県に本社を構えるジャパネットグループは、「長崎スタジアムシティ」への取り組みを2017年から開始。EYは、スポーツビジネスや地域連携などの知見を活かし、この民間主導の巨大プロジェクトに参画。主にICT領域での価値向上を実現すべく「ICT PMO」の役割を担当しました。 |
気になる事例までインプットして選考に挑めると、就活生の中では間違いなく差別化につながります!是非、興味のあるサービスラインと併せてインプットしておきましょう!
EYストラテジー・アンド・コンサルティングのリアルな待遇/キャリア事情(年収・初任給から転職先まで)
ここまで、EYストラテジー・アンド・コンサルティングそのものについて紐解いていきました。
次に、このセクションでは就活生の皆さんが一番気になるであろう「リアルな待遇」の話をまとめていきます。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの年収・福利厚生
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの年収事情
まず、待遇として一番イメージする年収(給与)について、インターネット上に落ちている情報と実際の社員の声をまとめます。
主な給与系データを持つ3つの媒体において無料で公開されている平均年収をまとめました。
媒体 | 平均年収 |
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Openwork | 902万円 |
OpenMoney | 927万円(29.8歳) |
エンゲージ 会社の評判 | 966万円(34.0歳) |
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの年収について、全ての媒体において平均が900万円以上と算出されており、コンサルティング業界の平均年収(FCON算出)である945万円よりやや低い年収水準にあるという評価になりました。
ただ、日本全体の平均年収(400万円程度)を加味すると、給与はさすが外資系コンサルティングファームといったところでしょう。
また、24卒向けの初年度年俸提示額が550万円であったことに対して、現在は590万円程度での提示になっていることから、人材獲得競争の激化に伴って賃上げを行っていることが推測されます。
そのため、今後も右肩上がりで初年度年俸が上がっていく可能性が高いでしょう。
加えて、基本的に年度初めに提示された年俸を12分割される形で支給されるため、賞与は月給に含まれて支給されるとのことで、月給は高くなるそうです。
それとは別に毎年10月にパフォーマンスボーナスが支給されるとのことで、平均して月給1か月分ほどが受け取れるとの声もありました。
気になるEYストラテジー・アンド・コンサルティングの初任給は?
また、実際にBIG4各社のコンサルティング部門における新卒採用の募集要項を確認し、各社の初年度年俸と見込み残業時間を可視化しました。
上記のデータより、見込み残業時間は50時間分あるものの、BIG4の中でEYはPwCに次いで2番目に初年度年俸が高いファームであるということが明らかです。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの主な福利厚生
次に、気になる福利厚生についてまとめます。
- ベビーシッター利用等補助制度
- 健康保険制度
- 総合福祉団体定期保険
- 企業型確定拠出年金(401K)
- 東京海上日動メディカルアシスト
- メンタルサポートサービス
- カフェテリアプラン(2~3万円/年)
- 全国契約宿泊施設の割引利用
- 在宅手当(5千円/月)
- 確定拠出年金制度
社員の健康面や家族を気遣った制度が多数ある一方で、家賃補助や社員寮はなく、日系の大企業と比較すると生活のコストはかさみそうですね。
休日・休暇の詳細については以下の通りです。
- ⼟曜⽇・⽇曜⽇・国⺠の祝⽇(ただし指定する祝⽇は除く)、年末年始(12⽉29⽇から翌年1⽉4⽇まで)、創⽴記念⽇(8⽉の第3⽉曜⽇)、その他会社が指定する休⽇
- 年次有給休暇
- 初年度15⽇間(年間/⼊社⽉により按分)
- その他の休暇
- 有給(慶弔、公傷、裁判員、看護)、無給(⽣理、産前産後、育児時間、通院)
公開されていた求人上において、年間休日は123日との記載がありましたので、その数字を参考にしてください。
新卒1年目の自由に使えるお金はどれくらい?
就活生が意外と分からないのが、新卒1年目にどんな生活をした場合にどのくらい手元にお金が残るのかではないでしょうか。
社会人になってから大きく分かれる「実家住み」と「一人暮らし」でざっくりと二分し、EYストラテジー・アンド・コンサルティングにおける1年目の可処分所得を算出してみましたので、参考にしてみてください。
月給(手取り) | 生活費 | 可処分所得 | |
---|---|---|---|
実家住み | 38万円 | 8万円 | 30万円 |
一人暮らし | 38万円 | 20万円 | 18万円 |
※実家住みは月6万円、一人暮らしは月10万円の水道光熱費・食費とする
生活費は家賃や食費・水道光熱費など生活に必要最低限なもので算出し、可処分所得は月給から生活費を引いて算出しています。
かなりざっくりとした計算にはなりますが、自由に使えるお金は実家住みで30万円、一人暮らしで18万円となりました。
新卒1年目でこれだけのお金が手元に残るのであれば、かなり贅沢に暮らせるのではないでしょうか。
2024年新卒入社(女性)の方の声
私は実家済みということもありますが、毎月趣味の旅行をしています。それなりに贅沢な旅行をしているつもりですが、それでも月5~10万円ほど貯金をする余裕はありますね。
皆さんも是非、この可処分所得があるときに何をしたいか・どんな生活ができそうか、新卒1年目の生活をイメージしてみてくださいね。
ファーストキャリアとしてのEYストラテジー・アンド・コンサルティング
新卒1年目の主な配属先は?
EYストラテジー・アンド・コンサルティングでは入社後のキャリア(スタンダード/専門)によって1年目の動きが変わってきます。
スタンダードはビジネスコンサルタント、専門はテクノロジーコンサルタント、戦略コンサルタント、M&Aフィナンシャルアドバイザリーコンサルタントという職種があります。
ビジネスコンサルタントの場合はAdvisory Consultant Group(ACG)、テクノロジーコンサルタントの場合はTechnology Consultant Group(TCG)に所属するとのことです。
そして、シニアコンサルタントへ昇格するタイミングで、ACGまたはTCGを卒業となり、いずれかのサブサービスラインへの所属が決定します。
そのため、1年目は若手スタッフのプール組織に配属され、そこからさまざまなプロジェクトにアサインされながら、コンサルタントとして経験を積んでいく形になります。
職種ごとのアサイン先は上記の通りです。ビジネスコンサルタント職は全域をカバーしており、各種専門職はその専門性に領域を絞ってアサインをされていきます。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングはホワイト?
未だにブラックなイメージのあるコンサルティング業界ですが、EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、いわゆるホワイト企業なのでしょうか。
結論、基本的には「ある程度ホワイトに働ける環境」と言えるのではないでしょうか。
その背景には勤務時間に関するデータや現役社員の声があります。
例えば、勤務時間に関して、Openworkは月平均46.3時間の残業があると算出しています。ここから、平均で1日2時間くらい残業をする試算になります。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの所定労働時間が7時間であることを考えると、朝の9時半から始業/出社し、お昼休憩を経て19時半ころに終業/退社するようなイメージでしょう。
また、現役社員の方は全員口を揃えて「プロジェクトやチーム、上長次第だが…」という枕詞を付けており、毎日定時退社できるプロジェクトもあれば、土日を使っても間に合わないようなプロジェクトも存在しているようです。
そのため、瞬間的にはブラックな環境になる可能性は考慮する必要があるとのことでしたが、ジュニアのうちは特に、定時で退社できるようなパターンも少なくないと伺っていますので、比較的ホワイトに働ける環境であるはずです。
働き方はかなり自由で基本的には毎日在宅でも業務に支障は出ないとのこと!毎日通勤しなくていいのはワークライフバランスを考えるうえで非常に魅力的ですね。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングからのキャリア
EYストラテジー・アンド・コンサルティングで経験を経た後のキャリアについても、現役社員の方に伺ってみたところ、大きく以下の2パターンに分かれるようです。
- 他コンサルティングファームへの業界内転職
Deloitte・PwC・KPMGといった他BIG4や、MckinseyやBoston Consulting Groupといった戦略系コンサルティングファーム、その他日系ファーム等、コンサルティング業界で転職するケースです。
転職の際にはタイトルアップや給与アップが見込める場合が多く、仕事の内容としても大きく変わることはないとのことで、比較的選ばれやすいセカンドキャリアなのでしょう。
転職先の実例
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング → デロイトトーマツコンサルティング
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング → YCP Solidiance
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング → PwCコンサルティング
- 専門性を活かした事業会社への転職
上述の配属の話にもあった通り、配属先の部署で身に着けた専門性(インダストリーであれば小売り業界への専門性、ソリューションであれば組織/人事といった領域における専門性)を活かし、事業会社に移っていくケースです。
転職先の事業会社はEYストラテジー・アンド・コンサルティングのクライアントが大企業であることやその待遇から、同じく大企業になりがちとのお話もありました。
また、EYストラテジー・アンド・コンサルティングは金融系のセクターが強いらしく、金融系の企業(銀行や証券系)への転職が多い印象があるとの声もありましたので、参考にしてください。
転職先の実例
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング → 三菱UFJモルガンスタンレー証券
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング → みずほフィナンシャルグループ
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング → TOTO
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの新卒募集情報
ここまで読んでいただいた就活生の方の中には「実際にエントリーしてみたい」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方のために、最新のEYストラテジー・アンド・コンサルティングの募集情報についてまとめます。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの選考はいつ?
例年通りであれば、7月頭を締切としてサマーインターンの募集がかかります。
サマーインターン経由での内定も多数出ているため、2027年卒の方でEYストラテジー・アンド・コンサルティングを狙っている方は、サマーインターンに向けて準備を進めると良いでしょう。
また、その後でも10月中を締切として本選考の募集がかかります。
研究やインターンのタイミングで就活のタイミングが夏に間に合わなそうな方は秋を目指して準備を進めると良いでしょう。
2023年・24年卒の場合は、春の本選考もありましたので、2026年卒でサマーインターンに間に合わなかったような方でも春の選考がある可能性も踏まえて準備ができると良いでしょう。
ちなみに、過去に募集があった職種を以下に記載しますので、志望先選定の参考にしてください。
職種 | 概要 |
---|---|
ビジネスコンサルタント職 | EYSCはクライアントの複雑な課題を解決するために戦略的構想・事業デザインから実現のための計画策定、さらに実行までの全てのフェーズを多面的多機能的に支援できる体制を擁しています。 ビジネスコンサルタントは、ストラテジー・アンド・トランスフォーメーション、ピープル、リスク、各セクターを中心として戦略から実行までを手掛けるEYSCの全領域に配属される可能性を持った職種です。 |
テクノロジーコンサルタント職 | テクノロジーコンサルタントは、テクノロジーを基盤とした多様な知見・専門性を活かしクライアントの経営課題解決を支援します。IT戦略策定から導入支援に至るまでの包括的なサービス提供に加え、デジタル技術とデータを活用した新たなサービスの開発にも携わります。 多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルと一緒に、オリジナルのテクノロジーキャリアを築くことができます。 |
戦略コンサルタント職 | EYにおける戦略コンサルティングサービスをリードし、セクター、アカウントに関する専門知識と掛け合わせた、詳細な市場・競合分析、顧客調査などから得たデータやインサイトをもとに実行可能な成長戦略、新規事業戦略、M&A戦略、DX戦略等の策定を担います。 様々な戦略立案に加えて、それを実現するためのM&A、組織再編などの実行・変革フェーズまで一気通貫で経験することが可能なチームになります。また、EYグローバルにおけるパルテノンチーム(戦略サービスに特化したチーム)との密接なコラボレーションを通じたコンサルティングサービスを提供しており、グローバルベースでのトランザクション戦略、トランスフォーメンションのサービスに関心のある戦略コンサルタント志望者向けの職種です。 |
M&Aフィナンシャルアドバイザー職 | M&Aにおけるリード・アドバイザリー業務、価値算定業務、財務デューデリジェンス業務等を担います。M&A等を用いた成長戦略の策定、適切な取引相手の発掘、売買対象の調査及び適切な価値の把握、取引相手との条件交渉などM&Aのプロセスにおいて一貫してクライアントをサポートするのが我々の役割です。 金融・会計知識等を背景に、聞く力・伝える力をキャリアの中で備えていくことで一人のプロフェッショナルとして成長することが期待されます。ご入社後は、チームを一定期間ローテーションしながら、専門性を高めていただくことでM&Aやフィナンシャルアドバイザリー分野の専門家になることが可能です。 |
デジタルエンジニア職 | デジタルエンジニアは、アプリケーション開発スキルやエンジニア力、最新テクノロジーに関する知見を活かし、デジタル案件の開発から保守運用までを担当します。 アプリケーション開発については、構想策定段階での試作品による実現可能性の検証から、実運用されるシステムの導入まで、大小さまざまな案件に携わります。デジタルエンジニアの専門的な知見やスキルを案件に取り入れることで、より付加価値の高いテクノロジー・コンサルティングを提供します。 |
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの新卒採用攻略法
このセクションでは、EYストラテジー・アンド・コンサルティングに新卒で内定を得るために理解しておくべきEYストラテジー・アンド・コンサルティングの新卒採用に関する情報をまとめます。
データで見るEYストラテジー・アンド・コンサルティング
まずはEYストラテジー・アンド・コンサルティングの新卒採用をデータから見てみましょう。
少し古い情報ですが、現役社員の方の声も踏まえると、EYストラテジー・アンド・コンサルティングは毎年100名弱の新卒を採用しているようでした。
年度 | 新卒採用人数 | うち男性 | うち女性 |
---|---|---|---|
2021年 | 112人 | 69人 | 43人 |
2020年 | 58人 | 33人 | 25人 |
2019年 | 104人 | 55人 | 49人 |
また、そのうちの採用大学の内訳は以下の通りです。
大学院 | 京都大学、東京大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、一橋大学、早稲田大学、慶應義塾大学、横浜国立大学、筑波大学、千葉大学、神戸大学 |
---|---|
大学 | 東京大学、京都大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、一橋大学、横浜国立大学、筑波大学、千葉大学、早稲田大学、慶應義塾大学 |
ここに記載されている大学が採用大学の全てではないことに留意することは必要ですが、やはりいわゆる高学歴層の採用が多いようです。
このデータと現役社員の方の声を踏まえると、EYストラテジー・アンド・コンサルティングには学歴フィルターがある可能性があります。
内定者を徹底分析!選考フローと攻略法
このセクションでは、現役社員や内定者の声から、新卒採用でEYストラテジー・アンド・コンサルティングに入るためのTipsと併せて選考フローを紹介します。
内定までの選考フローは以下の6段階です。
インターン経由で内定を目指す場合
本選考から内定を目指す場合
必ず抑えてほしい「EYストラテジー・アンド・コンサルティングの求める人物像」
選考対策の前に、まずは選考を通じてアピールしていく必要がある「EYストラテジー・アンド・コンサルティングの求める人物像」を以下にまとめます。
エントリーシートの作成時や面接準備時に以下の要件がアピールできているか否かのチェックリストとして活用することをおすすめします。
まず、参考情報としてですが、EYのグローバルより公開されている求める人物像は以下の通りです。
EYの人々は、場所、宗教、民族、言語の違いに関係なく異文化間でコミュニケーションを図っています。私たちはオープンマインドを持ち、尊敬し合い、協調性を持った寛大なチームです。知識豊富で常に最新の情報を備え持った生涯学び続ける意識を持っている人の集まりです。
次に、全職種に共通で、EYストラテジー・アンド・コンサルティングのメンバーに求められる人物像は以下の通りです。
常にクライアントに寄り添い課題解決にこだわりを持つ真のコンサルティングマインドをお持ちの方、またコンサルティングワークを通して日本の経済やよりよい社会に貢献するEYのパーパスに共感いただけるプラクティショナーの方、より良い社会の構築や日本の経済に新たな価値をもたらすと言った次世代のコンサルティングにご興味をお持ちの方をお待ちしています。 (引用:仕事を知る EYストラテジー・アンド・コンサルティング)
そして、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの各サービス別の求める人物像は以下の通りです。
サービス | 求める人物像 |
---|---|
セクター | クライアントの課題が多岐にわたり、複雑の度合いを増す中で、コンサルタントに必要なものは経営者と同じ意識を共有し、ともに悩み、考え、行動を起こすための共感力でしょう。 高度なEQ(心の知能指数)をもって、クライアントにどこまでも寄り添える人物であってほしいと思っています。 そのうえで、社会全体を覆う課題に対する問題意識、それを踏まえてあらゆる産業や専門領域に向けられる好奇心、そして人と人、組織と組織を結びつけることへの関心と実行力を持つ方に適していると考えています。 |
M&A | ハードスキル面では数字に対する感覚が優れた方が強みを持つと思います。 一方で、M&Aは一定のルールの下で人間が行う「ゲーム」です。 人間は理屈だけでは動きませんので、ソフトスキル面においては社内でも社外でも聞く力、伝える力が必要となります。 また、M&Aプロセスにおける目まぐるしい変化に対応できる柔軟性/レジリエンスも求められる素養になると思います。 |
リスク | EYのリスク・コンサルタントには、職階問わず、下記の3つの基礎力が求められると考えています。 1. ありふれた情報からスピーディーにエッセンスを抜き出す力 2. 未来のシナリオを描き、ストーリーを構想する力 3. チームワークにコミットし、足し算から掛け算に持っていくコミュニケーション力 常に変化する環境の中では、リスク・コンサルタントには、アンテナを高く張って多様な情報を意味付けし、リスク・シナリオに落とし込んで語ることが求められます。 クライアントに対して真摯に向き合い、周りのあらゆる人達に対して、常にリスペクトを持ち続けることが個のプロフェッショナルとしての力量の土台になるのではないでしょうか。 不確実性が高まる今日、「Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)」というパーパス(存在意義)を持つEYで、リスクのプロフェッショナルとして、一緒に道を切り拓いていく方をお待ちしています。 |
最後に2026年卒向けの説明会にて提示されたEYストラテジー・アンド・コンサルティングの新卒に求める人物像は以下の通りです。
基本的な所作であるBasics評価、ケース面接やグループディスカッションで測られるCompetencies評価、個人面接やグループディスカッションで測られるCulture FIT評価の3つに分かれています。
選考フローにおいて求める人物像との合致をどのように伝えていくかを適切にマネジメントし、しっかりと準備をすることが極めて重要です。
自分なりに求める人物像を解釈した上で、ケース対策などでCompetencies評価を得る準備をし、それに対応する自分自身が持つ経験やエピソードを準備することでCulture FIT評価を得る準備ができれば、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの選考を高い確率で突破していくことができるはずです。
エントリーシート
選考フローの1段階目はエントリーシート(ES)です。
エントリーシートの過去の設問と内定者の回答はエピソードを以下にまとめました。
過去の設問 | 内定者の回答(エピソード) |
---|---|
あなたのキャラクターがよくわかる過去のエピソードについて記述してください(400字以下) | 体育会○○部で全国大会に出場した ○○サークルの代表として学年間の交流を促進した 体育会○○部でレギュラーを目指した アルバイトの業務改善に注力した |
第一志望職種について、志望理由を教えてください。(400字以下) | デジタル格差の縮小により人々の生活に貢献したい(テクノロジーコンサルタント) 上流の戦略策定から下流の実行支援まで全てのプロセスに関わることができるから(ビジネスコンサルタント) 幅広いインダストリー・サービスラインのプロジェクトに取り組むことができるから(ビジネスコンサルタント) 企業や社会の幸福を最大化したい夢の実現に近づけるから(ビジネスコンサルタント) 「世界で勝つ日本企業の創出と、日本の経済成長への貢献」を果たしたいから(M&A・戦略コンサルタント) |
大学/大学院での専攻、及び過去の経験を元に、EYSC(EYストラテジー&コンサルティング)でどのような貢献ができるか記述してください(400字以下) | アルバイトでの新人スタッフ定着率の向上に貢献した経験から、周囲を巻き込み課題を解決する力で貢献できる 学年最下位の生徒の英語を戦略的に2年間指導して◯◯大学に合格させた経験から、クライアントの現状と理想を正確に把握し、課題解決に導く推進力で貴社に貢献できる サークルのイベントを幹事として運営した経験から、顧客の視点に立った課題解決力で貢献できる ○○のアルバイトで個人売上○○円を達成した経験から、人一倍高い専門性を身につけ貢献できる |
エントリーシートの内容は、インターン・本選考どちらにも共通して学生時代に頑張ったこと(キャラクターが分かる過去のエピソード)と第一志望職種の志望動機、そして学生時代に頑張ったことと志望動機の掛け合わせ(EYSCにどのような貢献ができるか)の3パターンの設問があるようです。
400文字以内の文字数制限の中で上述の求める人物像を伝えるため、少し頭をひねって考える必要がありそうです。
1つ目の設問に関しては、直球で学生時代に頑張ったことを伝える文章ではなく、あくまでもどのようなキャラクターかを伝えるために学生時代に頑張ったことを用いる構造となっています。
そのため、「私は○○な人間です」といった形で自分自身をラベリングする際に、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの求める人物像に挙がっている要素を入れ込めると良いでしょう。
2つ目の志望職種の志望動機に関しては、ただ単に志望動機を述べるだけではなく、求める人物像に記載のある「パーパスへの共感」を踏まえたうえで志望動機を述べられると良いでしょう(長期的価値の創造と絡めるなど)。
3つ目の設問に関しては、求める人物像を意識しつつも、シンプルに自分自身の強みとそれを証拠づけるエピソードを、EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの貢献という文脈で語れると良いでしょう。
適性検査
選考フローの2段階目は適性検査です。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングはテストセンター(SPI)を採用しているようです。
SPIはシンプルな適性検査であり、対策をすれば高得点を狙えますが、その分ボーダーも高くなる傾向にあるので、事前に他社で選考を受けておくなど、しっかりとした対策が必要です。
グループディスカッション
選考フローの3段階目はグループディスカッションです。
こちらは一般的なグループディスカッションであり、何かEYならではの特別な対策が必要なわけではなさそうです。
所要時間 | 人数 | お題 |
---|---|---|
30~35分 | 4~7人 | ある市場の規模を拡大するには ある業界大手企業のDx化に取り組むにあたってどのような提案をするべきか スーパーの新しいオンライン決済のやり方 コロナ前後で変わった保険会社の顧客対応 日本のとある産業に対しての新規事業を立案 |
グループディスカッション後は5分間の発表があり、その後はその発表内容について面接官から質問されるとのことですので、可能であれば自分が発表し、面接官の質問にも答えることで好印象を与えておきたいところですね。
また、他者と協働するグループディスカッションでは、「協調性」や「コミュニケーション」等のCompetencies評価が見られている可能性が極めて高いため、求める人物像を意識した立ち振る舞いができると選考突破に繋がるはずです。
実際に内定者からも「協調性を特に意識していたら選考突破ができた」という声が上がっていますので、特に協調性は意識をして挑むと良いでしょう。
面接(ケース面接/個人面接)
選考フローの4段階目はケース面接/個人面接です。
内定者の方々からは、ケース面接はフェルミ推定を行うパターンであり、個人面接は一般的な建付けであると伺っています。
面接官によっては先に個人面接をしたのちにケース面接を行うパターンもあるようですので、どちらであっても柔軟に対応する心の準備は必要です。
ケース面接(フェルミ推定)では以下のようなお題が出されており、それに対して10分程度思考を巡らせ、5分程度でプレゼンをした後に面接官とディスカッションをします。
- 日本の小学校の数
- 日本の傘の本数
- とある市場の市場規模推定
- とあるサービスの売上推定
個人面接では、学生時代に力を入れたことと志望動機に対する質問がされ、それを少し深ぼられます。
一般的な面接対策ができており、エントリーシートに書いた内容と相違がなければ、大きく問題はないでしょう。
グループディスカッション
選考フローの5段階目は、再びグループディスカッションになります。
ただし、前回のグループディスカッションとは違い、ディスカッション時間が60~75分と長丁場になります。
60~75分間もの間、初対面のメンバーと円滑にコミュニケーションを取りつつ、お題に対して思考を巡らせ続けるだけでなく、事前インプットとしてPDF1~2枚程度の資料を提示され、そこから仮説を立てて提案を作っていく少々特殊な形のGDであるため、事前の準備が必要でしょう。
また、Google Slide等を活用したアウトプットの作成も必要であり、資料作成の型も身に着けておけるとよりアピールできる選考になっています。
所要時間 | 人数 | お題 |
---|---|---|
60~75分 | 4~7人 | とある金融系企業の退職率を下げるための施策考案 とある商社についての情報が与えられ、問題解決施策を提案 少子高齢化が進む中で、全国の大学はどうしていくべきか ある企業の課題と新規事業提案 |
このフェーズのグループディスカッションにおいても、アピールすべきポイントはやはりCompetencies評価にあります。
事前に提示された資料を構造的に理解し、チームと円滑にコミュニケーションを取りながら、自分自身の役割に対してリーダーシップを発揮することが候補者には求められています。
確実な内定を目指したい方は、必ず事前に同様の形式で就活仲間と練習をしておくようにしましょう。
最終面接(人事/パートナー面接)
選考フローの最後の段階は、人事/パートナー(役員クラス)との面接です。
形式としては個人面接になりますが、選考フローの中で行ったグループディスカッション(ロング版)の振り返りなども行われるため、EYストラテジー・アンド・コンサルティングに向けて特別に準備をしていくべきでしょう。
また、人事面接とパートナー面接は連続して行われます。
同時にそれぞれのアクセス先リンクが送付され、時間になったら人事のアクセス先に入り、また時間になったらパートナーのアクセス先に入る、といった形になります。
順序は人によって違うため、どちらが先に始まっても問題が内容に準備をしましょう。
質問内容はそれぞれ以下の通りです。
面接官 | 所要時間 | 質問内容 |
---|---|---|
人事 | 10~15分 | 優秀なコンサルタントの定義 就職活動の軸 コンサルティング業界の志望動機 EYストラテジー・アンド・コンサルティングの志望動機 入社後の志望サービスライン(セクターやコンピテンシー) 入社までに自分がやるべきこと 10年後にどのようなコンサルタントになりたいか |
パートナー | 30~40分 | グループディスカッション(ロング版)の内容に対する感想ともう一度できるとしたらどうするかの振り返り 入社後、どのような分野の課題解決に取り組みたいか 他ファームとEYストラテジー・アンド・コンサルティングの違いは何か 日本のインフラの問題は何か |
内定者の話によると、人事面接は淡々と質問が飛んでくる形である一方、パートナー面接は雑談形式で穏やかな雰囲気であるとのことでした。
また、逆質問の時間もそれぞれ設けられており、特にパートナー面接では逆質問だけで面接が進んでいくパターンも見受けられるため、聞きたいことはきちんとまとめておくようにしましょう。
最後に
ここまでEYストラテジー・アンド・コンサルティングに関して就活生の皆さんが知りたいであろう情報をまとめてきました。
この情報をご自身なりに解釈いただいた上でEYストラテジー・アンド・コンサルティングの志望動機を作り、そして求める人物像に対して解像度を高めた上でそれに合致する自分自身の強みや経験を語れるように準備をしておけば、結果は自ずとついてくるはずです。
皆さんの成功と達成を、PRACAREER運営一同、心から願っております。
よくある質問
- EYストラテジー・アンド・コンサルティングではどのくらいの英語力が必要ですか?
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募集要項に「ビジネスレベルの英語⼒が好ましい」と記載があるため、英語力がないと受からないということはありませんが、英語力があると選考に有利に働くことはありそうです。
実際、新卒社員の方に伺う中でも英語が全く話せない同期はいるとのことですので、英語力がないために選考で落とされることはないでしょう。 - EYストラテジー・アンド・コンサルティングは成果主義ですか?
-
成果主義の評価体系ではあるものの、プロジェクトや上司次第で評価が変わりプロモーションも決まっていくため、一定社内政治も重要視されます。
評価・昇進に関してはパフォーマンス以外にも上長との個人的な関係値が影響してくるとの声があります。 - EYストラテジー・アンド・コンサルティングではMBA留学の支援はありますか?
-
MBA留学の支援はありませんが、Hult International Business Schoolの修士が無料で取れる仕組みがあります。そのため、EYの社員であれば費用負担なく国際的に認められたビジネスの修士号を取ることができます。
- EYストラテジー・アンド・コンサルティングでは部署移動が可能ですか?
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可能ですが、ケースとしてはそれほど多くはないようです。