新卒で外資系のSIer企業に入社したい就活生は多いと思います。多くの就活生が気になっている、「どの外資SIer企業が新卒を募集しているのか?」という疑問に答えるため、新卒で入社できる大手の外資SIer企業9社をご紹介します。
外資SIerの概要
外資系SIer企業とは
外資系SIer企業とは、主に欧米に本社を持ち、グローバルに展開している企業の日本法人であり、日本特有の職種であるシステムインテグレーター(SIer)の一部を構成しています。これらの企業は、日本の企業文化とは異なり、能力主義や成果主義が色濃く反映されており、社員は高いスキルや語学力を求められることが一般的です。
外資系SIerは、ITシステムの設計、構築、運用を行い、特にIT化が進む現代において企業経営における重要な役割を果たしています。
外資SIerの社員は、世界規模のプロジェクトに携わる機会がある一方で、個々の成果が評価される環境で働くことが求められます。まさに実力主義です。
外資SIer企業における日本支社の立ち位置は?
外資系SIer企業における日本支社の立ち位置は、外資系企業のグローバルなビジネス戦略において非常に重要です。日本市場は、独自の文化やビジネス慣習があるため、外資系SIerの日本支社はこれらの特有のニーズに応じたサービスを提供する役割を担っています。
さらに、日本支社は、海外本社の経営方針に基づいて運営されるため、しばしば日本側の意向と異なる方針が示されることもありますが、それでも本社の決定に従う必要があります。
そのため、日本支社は、柔軟な姿勢で業務に取り組むことが求められ、グローバルな戦略を実行するための拠点として、海外技術の日本導入支援や日本企業の海外進出支援を行うなど、日本国内外での相互支援を行う重要な役割を果たしています。
新卒で入れる大手外資SIer企業一覧
Hewlett Packard | 日本ヒューレット・パッカード合同会社
米国カルフォルニア州に本社を置くHPは、2015年に大規模な再編成を行い、Hewlett-Packard Companyは2つの別々の会社、HP Inc. と Hewlett Packard Enterprise(HPE)に分社化されました。
日本においては株式会社日本HPと日本HP合同会社の2つの法人が活動を継続しています。日本ヒューレット・パッカード合同会社の方は、ITインフラストラクチャ、ソフトウェア、サービスを提供し、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。新卒採用では、技術職(エンジニア)や営業職(セールス)を中心に募集しています。
2024年に内定された方の情報によると、毎年8月には、説明会を兼ねた1Dayインターンシップが開催され、参加者はこの機会を通じて早期選考に進むことができます。また、9月にはキャリアイベントとして合同説明会も行われ、参加者はエントリーシートの提出を経て書類選考が行われ、その後に本選考へと進む流れとなっています。
日本ヒューレット・パッカードでは、過去に以下のようなポジションで新卒向けに募集がありました。
- セールススペシャリスト
- プリセールスエンジニア
- システムエンジニア
- サービスエンジニア
IBM | 日本アイ・ビー・エム株式会社
日本IBMは、米国ニューヨーク州に本社を置くIBMの日本法人です。幅広い職種で新卒採用を行なっており、日本IBMデジタルサービス(IJDS)、日本IBMシステムズ・エンジニアリング(ISE)などで募集があります。
IBMの本選考は11月上旬から始まり、エントリーシートの提出が求められます。その後、自宅で受験可能なWEBテストがあり、11月下旬には企業オリジナルの小論文、12月上旬にはグループディスカッションが実施されます。最後に、12月中旬には社員2対学生1の個人面接が行われ、志望動機や幼少期からの経験について質問されます。内定は12月下旬に通知されます。
日本アイ・ビー・エムでは、過去に以下のようなポジションで新卒向けに募集がありました。
- 営業
- 戦略コンサルタント
- ビジネスデジタルコンサルタント
- ITスペシャリスト
Accenture PLC | アクセンチュア
アクセンチュアは、アイルランドに本社を置く世界最大級のコンサルティング会社です。戦略、デジタル、テクノロジー、オペレーションの各分野でサービスを提供しています。新卒採用では、コンサルタント職を中心に多くのポジションを募集しています。
インターンシップ選考は6月に始まり、エントリーシート提出後、WEBテスト、グループディスカッション、ケース面接が実施されます。合格者は、8月に東京オフィスでグループワーク形式のインターンシップに参加します。そして、続く本選考は10月上旬に開始されます。
アクセンチュアでは、過去に以下のようなポジションで新卒向けに募集がありました。
- 戦略コンサルタント
- テクノロジーコンサルタント
- デジタルコンサルタント
Avanade | アバナード
アバナードは、アクセンチュアとマイクロソフトの合弁会社で、主にマイクロソフト技術を活用したビジネスソリューションを提供しています。新卒採用では、技術職を中心に募集しています。
Avanadeの選考プロセスは、2024年3月に説明会とセミナーが開催され、4月上旬にエントリーシートの提出が求められます。4月中旬にはオンラインでの一次面接が行われ、5月には最終面接がオンラインで実施されます。この選考過程では、熱意を全面に出し、Avanadeでしか成し遂げられないことを本音で語ることが重視されます。
アバナードでは、過去に以下のようなポジションで新卒向けに募集がありました。
- ソリューションエンジニア
- クラウドエンジニア
- データアナリスト
Cognizant | コグニザントジャパン
コグニザントは、アメリカに本社を置くITサービス企業で、デジタルトランスフォーメーションを支援するソリューションを提供しています。新卒採用では、ビジネスアナリストやソフトウェアエンジニアを募集しています。
本選考は3月に始まり、エントリーシートの提出後、自宅でWEBテストを受けます。4月に2回の個人面接が実施されます。選考は非常に和やかな雰囲気で進み、4月中旬に内定が出されます。
2024年卒の新入社員の方の情報によると、内定者は約15人で、早慶MARCHや国立大学の出身者が含まれていたそうです。
コグニザントジャパンでは、過去に以下のようなポジションで新卒向けに募集がありました。
- ソフトウェアエンジニア
- ビジネスアナリスト
TATA | 日本タタコンサルタンシーサービシズ
タタコンサルタンシーサービシズ(TCS)は、インドに本社を置くITサービスとコンサルティングの企業です。グローバルなプロジェクトを手掛けており、新卒採用ではエンジニア職を中心に募集しています。
インターンシップ選考が6月に始まり、エントリーシートが提出後、TG-WEB形式のWEBテストを受けます。7月には、オンラインでグループワーク形式の1Dayインターンシップが行われます。その後、本選考は11月に開始され、内定は12月に出されます。リクナビによると、内定者には国公立からMARCH、関関同立まで幅広いの大学出身者が含まれています。また2023年の新卒採用人数は、191人でした。
日本タタでは、過去に以下のようなポジションで新卒向けに募集がありました。
- ソフトウェアエンジニア
- システムアナリスト
- プロジェクトマネージャー
Wipro | ウィプロジャパン
ウィプロは、インドに本社を置くITサービス企業で、ITコンサルティングやビジネスプロセスアウトソーシングを提供しています。現在採用に関してはウィプロのホームページから直接応募する流れになっています。会社概要などは英語が中心ですが、自身のある方はチャレンジしてみましょう。
ウィプロジャパンのホームページには、以下のようなポジションで募集がありました。
- ITコンサルタント
- ソフトウェアエンジニア
- データサイエンティスト
Oracle | 日本オラクル株式会社
日本オラクルは、データベースソフトウェアやクラウドソリューションを提供するオラクルの日本法人です。新卒採用では、営業職や技術職を中心に募集しています。
選考プロセスは3月中旬にエントリーシートの提出から始まります。その後、3月下旬から4月中旬にかけて、複数回の個人面接が行われます。これらの面接は主に社員1名対学生1名の形式で、1回あたり20分から1時間程度の時間をかけて実施されます。
面接では学生時代の経験や志望理由、就活の軸などについて質問があり、学生からの逆質問の機会も設けられています。面接の雰囲気は比較的フランクですが、最終面接ではやや堅い雰囲気になることもあります。全ての選考を通過した場合、5月中旬頃に内定が出されます。
日本オラクル株式会社では、過去に以下のようなポジションで新卒向けに募集がありました。
- 営業
- プリセールスエンジニア
- クラウドエンジニア
SAP | SAPジャパン株式会社
SAPジャパンは、ドイツに本社を持つSAPの日本法人で、ERPソフトウェアを中心にビジネスソリューションを提供しています。新卒採用では、コンサルタント職を中心に募集しています。
選考プロセスは、エントリーシートの提出から始まります。次に、一次面接が行われ、これはオンラインで実施されるようです。一次面接を通過すると、ワークと呼ばれる課題解決型の選考があり、これもオンラインで行われます。その後、二次面接があり、これもオンラインで実施されます。
最後に、最終面接が行われ、この段階で内定が出されることがあります。内定後は、任意で早期研修に参加する機会があります。全体的に、オンラインでの選考が多く、面接では企業文化や志望動機、業務内容への理解などが重視されているようです。
SAPジャパンでは、過去に以下のようなポジションで新卒向けに募集がありました。
- ERPコンサルタント
- ソリューションアーキテクト
- データアナリスト
外資SIerに新卒で入るためのアドバイス
外資系SIerに新卒で入るためには、高い技術力と語学力、特に英語力の向上が必須です。各企業の文化やプロジェクト内容を理解し、自分に合った企業を選ぶための業界研究が重要であり、インターンシップを通じて実際の業務を体験し、企業文化を理解することが効果的です。
業界のプロフェッショナルとのネットワーキングを通じて最新の情報を得ることも役立ち、就職活動は早めに開始し、企業の採用スケジュールに合わせて準備を進めることで、より良い結果を得ることができます。これらのポイントを押さえ、外資系SIerでのキャリアを目指して一歩を踏み出しましょう。