【日本IBM】新卒1年目は年収490万円!| 気になる初任給や福利厚生も徹底解説

1911年に設立され、最も歴史のある外資系企業の一つである「IBM」の日本法人である日本IBM(IBM Japan)。

待遇の良いイメージのあるIT業界・コンサルティング業界でビジネスを展開する同社で働く人々(IBMer)の年収はどれほどか、初任給はどれほどか、どんな福利厚生があるのか。

本記事では、そんな気になる日本IBMの待遇についてまとめました。是非、就職活動や転職活動の際の志望先選定にお役立ていただければと思います。

本記事のポイント

  • 日本IBMの平均年収は890~920万円!
  • 日本IBMの初任給は27万円、新卒1年目の年収は490万円(ボーナス込み)!
  • 日本IBMの福利厚生は持株会が特徴も、その他は必要最低限レベル
  • 日本IBMの平均残業時間は約35時間、他ファームと比較してホワイトな環境という口コミ多数!
目次

日本IBMとはどんな企業?

待遇の情報に入る前に、まずは日本IBMの企業概要について紹介します。

日本IBMは、クラウドやAI(Watson)を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)支援に強みを持ち、戦略立案からITインフラ構築、業務改革、システム導入・運用保守まで、すべての領域をカバーする総合ITサービス企業です。

近年では事業拡大のためにコンサルティング領域にも進出してきており、コンサルティング事業部にて採用を拡大しています。

日本IBMの本社オフィス
(出所:EnterpriseZine オフィス訪問記④:あらゆる人々の“共創”を推進する日本IBMの虎ノ門新オフィス

日本IBMの本社オフィス(東京)は2024年1月から「虎ノ門ヒルズステーションタワー」にあります。

執務スペースが完全フリーアドレス制であったり、幼児を連れた人が授乳できるPARENT’S ROOMがあったりなど、多様な働き方を実現する高機能オフィスでIBMerは働いています。

また、売上高(2023年12月発表)はグローバルで約6.2兆円、日本IBMは約7,300億円程であり、日本はグローバルの約12%を占めています。

そして、コンピュータ黎明期に世界を席巻したイメージのあるIBMですが、今日でもその企業規模は極めて大きく、未だに世界の時価総額ランキングTOP100にランクインしています。

さらに、その技術力は今でも世界トップクラスで、特に先進的なテーマである「量子コンピュータ」の領域では、あのGoogleと世界の首位を争っているのがIBMです。

そしてその日本法人である日本IBMも持ち前の技術力を活かし、東京大学や産業技術総合研究所(経済産業省所管の研究機関)といった日本を代表する研究機関と連携しながら、革新的なテクノロジーの開発と実用化を推進しています。

年収や福利厚生は?日本のIBMリアルな待遇

このセクションでは多くの方々が一番気になるであろう年収や評価・昇進、福利厚生などと言った「リアルな待遇」の話を、実際の社員の方々へのインタビュー内容も含めて、具体的にまとめていきます。

気になる日本IBMの初任給は約29万円!新卒1年目の年収は約490万円!

まず、新卒で志望先を選ぶ際に気になるのは初任給がいくらかだと思います。

以下では、日本IBMの初任給をみなし残業時間と併せて競合他社であるBIG4と比較しながら見ていきます。

日本国内の主要総合コンサルティングファームにおける初年度年俸(新卒1年目の年収)及びみなし残業時間の比較グラフ
(各社の日本におけるコンサルティング部門の新卒採用募集要項を参照し、PRACAREER運営にて作成)
初年度年俸みなし残業(時間)
PwC650万円30
Baycurrent600万円45
EY590万円50
Deloitte580万円50
KPMG570万円50
IBM490万円0
Abeam446万円0
Accenture430万円0

上記のデータ集計を行ったところ、みなし残業時間は0時間・初年度年俸(新卒1年目の年収)は約490万円であることが分かりました。

また、日本IBMでは賞与基準額の147万円が上記の提示年俸に含まれているとのことであり、それを加味すると日本IBM初任給は約29万円(額面)であることが分かります。

日本IBMの新卒1年目が自由に使えるお金はどれくらい?

就活生が意外と分からないのが、新卒1年目にどんな生活をした場合にどのくらい手元にお金が残るのかではないでしょうか。

社会人になってから大きく分かれる「実家住み」と「一人暮らし」でざっくりと二分し、日本IBMにおける1年目の可処分所得を算出してみましたので、参考にしてみてください。

月給(手取り)生活費可処分所得
実家住み22万円8万円14万円
一人暮らし22万円20万円2万円
※実家住みは月2万円、一人暮らしは月10万円の家賃とする
※実家住みは月6万円、一人暮らしは月10万円の水道光熱費・食費とする

生活費は家賃や食費・水道光熱費など生活に必要最低限なもので算出し、可処分所得は月給から生活費を引いて算出しています。

かなりざっくりとした計算にはなりますが、自由に使えるお金は実家住みで14万円、一人暮らしで2万円となりました。

入社1年目(アソシエイト)の間は見込み残業時間が付いていませんので、これにプラスして残業代が付いてくるイメージです。

以上を踏まえると、東京都内中心部で一人暮らしをする場合、少々切り詰めて生活をする必要があるでしょう。

現役社員の口コミ

BIG4に勤めている大学同期と比べると、都心まで遠い比較的郊外の家賃を抑えた家で生活しなければ首が回らなくなるか、自転車操業的になるレベルの給与です。ボーナスが出る時期は旅行等の贅沢ができますが、日常的に余裕が持てるかと言われると少し厳しいかなと思います。

皆さんも是非、この可処分所得があるときに何をしたいか・どんな生活ができそうか、新卒1年目の生活をイメージしてみてくださいね。

業界内では年収低め?日本IBMの年収事情

次に、待遇として一番イメージする年収(給与)について、インターネット上に落ちている情報と実際の社員の声をまとめます。

主な給与系データを持つ3つの媒体において無料で公開されている平均年収をまとめました。

媒体平均年収
Openwork917万円
OpenMoney886万円(平均年齢31.4歳)
エンゲージ 会社の評判921万円(平均年齢41.0歳)
(引用:Openwork 日本IBMOpenMoney 日本IBMエンゲージ 会社の評判 日本IBM

上記のデータから、日本IBM全体での平均年収は890~920万円程であると推測されます。

この数字を踏まえると、日本IBMの平均年収はコンサルティング業界の平均年収(FCON算出)である945万円よりやや低い年収水準にあるという評価になるでしょう。

ただ、日本全体の平均年収(400万円程度)を加味すると、給与はさすが外資系企業といったところでしょう。

さらに日本IBMにおけるタイトル別年収の参考値をご紹介します。

日本IBMのタイトル別年収イメージ
(PRACAREER運営の独自調査に基づき作成、デジタルビジネスコンサルタント職・I戦略コンサルタント職・Tスペシャリスト職に限る)

上記は企業口コミサイト等のインターネット上に公開されている情報とPRACAREER運営にて行った現役社員3名へのヒアリングにて作成したタイトル別年収一覧表です。

必ずしも正しい数値というわけではありませんので、あくまでも参考値としてご活用ください。

給与の仕組みは以下の通りです。

  • 「Band」と呼ばれる階級制度があり、それに応じた年収レンジがある
  • 日本IBMにおける年収は、基本給+賞与(年2回)+固定残業代(+業績ボーナス)で構成される
  • 賞与は個人のパフォーマンスもある程度加味されているが、それによって大きく支給額が変わることはない
運営者:Yuhei

現役社員の方によると、グローバルの業績が良い年に限っては3月に業績ボーナスが出るとのことでした。

なお、ジュニアコンサルタント(Band 6)以降は裁量労働制、すなわちみなし残業代(40時間分)が付く形に契約が変わりますのでご注意ください。

実力次第でスピード昇進が狙える!日本IBMの評価・昇進事情

ここからは年収を大きく左右する日本IBMの評価や昇進事情について、インターネット上の情報や現役社員の方へのインタビュー内容を踏まえてまとめていきます。

まずは日本IBMにおける評価方法は以下の通りです。

  • プロジェクトでのパフォーマンスは「IBM Check Point」という6つの評価項目に基づき、各項目の達成度を3段階で評価される(年2回実施)
  • プロジェクトでのパフォーマンスや稼働率・学習といった複数要素を加味して、総合的な評価が下される(年1回実施)
  • 昇進評価は四半期に1度(Band 8以降は半期に1度)あり、自ら昇進申請を出し、それが所属長に許可された場合、パートナーに対して昇進の妥当性をプレゼンテーションする形で行われる

他ファームの評価制度ではなかなか見ない「自己申告制の昇進申請」と「昇進試験の存在」が特徴的です。

自身のBandにおいて昇進に必要な基準を満たしている場合に昇進申請を行い、自身のパフォーマンス等を示す資料を用いてパートナーに対するプレゼンテーションを行うとのことでした。

昇進試験に落ちることも少なくないため、何度か昇進試験を受けて、傾向と対策を練って昇進を狙いにいく方もいらっしゃると伺っています。

また、昇進試験に必要な準備(プレゼン資料作成等)の労力がさけず、昇進試験を受けることを後回しにしているかたも一定数いらっしゃるそうです。

次に、タイトルごとに「次のタイトルへの昇進に要する年数」をまとめました。

日本IBMにおける昇進スピードイメージ
(PRACAREER運営の独自調査に基づき作成、デジタルビジネスコンサルタント職・I戦略コンサルタント職・Tスペシャリスト職に限る)

現役社員の方から共通して聞こえてきたのは「他ファームと比較すると昇進スピードは遅いこと」と「Bandを上げなければ給与はほとんど増えないこと」でした。

Bandが1つ上がると数百万円単位で年収が増加しますが、Band内での昇給は年数%程度にとどまります。

他のファームでは、タイトル内でもランクアップに応じて年収が50万円ずつ上がっていく仕組みがあったりしますが、日本IBMにはそのような制度はありません。

そのため、「若い時期から高強度で働き、積極的に昇進して年収を上げていきたい方には向いていない企業かもしれないと伺っています。

運営者:Yuhei

日本IBMには、昇進に対して強い執着心を持つ社員は少なく、むしろ会社のパーパスに共感し、仕事そのものを楽しむ方が多いそうです。

必要最低限で期待はできない?日本IBMの主な福利厚生

次に、気になる福利厚生や休日・休暇についてまとめます。

福利厚生

  • 企業型確定拠出年金
  • 退職金制度
  • 持株会
  • 出張手当(4,000円/日)
  • 事業所内託児所
  • 育休・産休制度
  • ベビーシッター利用料補助
  • 自己研鑽支援制度(書籍購入補助、外部セミナー参加補助、Udemy Businessの無料利用)
  • リモートワーク補助制度
  • リロクラブ(福利厚生倶楽部)

休日・休暇

  • 土曜日、日曜日、国民の祝日、年末年始(12月30日から1月3日まで)
  • 年次有給休暇、特別有給休暇(慶弔、産前産後、ボランティア、看護など)、フレッシュ・アップ休暇

持株会について、日本IBMでは給与の10%を上限として、IBM(米国本社)の株式を15%割引で購入できるとのことです。

これは株を買った瞬間に+15%の評価益が付くことと同義であり、非常に魅力的な制度であると言えるでしょう。

また、その他の大手コンサルティングファームで持株会があるのはアクセンチュアベイカレントくらいであり、業界では珍しい制度であると言えます。

運営者:Yuhei

昔は住宅手当や借り上げ社宅があったが現在では廃止されていたりと、年々福利厚生が削減されて行っているという現役社員の方の声もありました。

その他では「Blue Point」という社員同士で送り合うポイント制度があり、そのポイントを貯めてほしい商品と交換できるとのことです。

日本IBMはブラック企業?気になる働き方

未だにブラックなイメージのあるコンサルティング業界ですが、日本IBMは、いわゆるホワイト企業なのでしょうか。

結論、「比較的ホワイトに働ける環境」と言えるのではないでしょうか。

国内の主要総合コンサルティングファームにおける時間外労働時間と有給消化率の比較表
(各社のOpenworkページの情報を参照し、PRACAREER運営にて作成)

例えば、勤務時間に関して、Openworkは月平均34.1時間の残業があると算出しています。ここから、平均で1日1.5時間くらい残業をする試算になります。

日本IBMの所定労働時間が約7時間半(正確には7時間36分)であることを考えると、朝の9時から出社/始業し、お昼休憩を経て19時頃に退社/終業するようなイメージでしょう。

現役社員の方は全員口を揃えて「プロジェクト次第だが…」という枕詞を付けており、毎日定時退社できるプロジェクトもあれば、土日を使っても間に合わないようなプロジェクトも存在しているようです。

プロジェクトによっては比較的ハードに働く必要があるため、瞬間的にブラックな働き方になってしまうことは頭に入れておいた方が良さそうです。

しかし、基本的には他ファームと比較してホワイトな働き方、ワークライフバランスを考慮した柔軟な働き方ができるという声が多くありますので、コンサルティング業界の中ではホワイトに働ける環境であることは間違いなさそうです。

また、裁量労働制となっていますが、もちろん見込みの残業時間(40時間)を超えた分について・土日出勤をした分については残業代が分単位で支払われるとのことでした。

まとめ

本記事では、日本IBMの待遇について詳しく見てきました。

新卒1年目の年収はボーナス込みで490万円ですが、初任給は27万円(手取りは22万円)であり、東京都内中心部で一人暮らしをする際には少し切り詰めて生活をしなければならない基準になっています。

また、持ち株会制度などの特徴的な制度も設けていますが、福利厚生は必要最低限レベルの整備に留まります。

評価・昇進制度については、他のファームと比較して昇進スピードが遅く、Band内での昇給も限定的である特徴があります。

働き方については、月平均34.1時間という残業時間で、コンサルティング業界の中では比較的ホワイトな環境と言えますが、プロジェクトによってはハードな働き方を求められることもあります。

是非、これらの情報を参考にしていただき、日本IBMの志望を考えてみてください。

よくある質問

日本IBMではフルリモートでの稼働は可能ですか?

可能です。しかし、プロジェクトによってはクライアント先への常駐が必要であるため、注意が必要です。

日本IBMに入るにはどれくらいの英語力が必要ですか?

入社のために英語は必要ありません。コンサルタント職では、基本的には日本語でのコミュニケーションで済んでしまうケースがほとんどであるとのことです。

日本IBMでは副業はできますか?

可能です。会社に申請をして許可を得たうえで副業をしている方が実際にいらっしゃるとのことです。

 

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