新卒でPwCコンサルティングを志望する学生が気になる年収や初任給など、気になる待遇情報をまとめました。
本記事のポイント
- PwCコンサルティングの平均年収は約950~990万円!
- PwCコンサルティングの初任給は額面47万円!手取りは36万円!
- PwCコンサルティングの新卒1年目の年収は665万円!
- 競合他社と比較して社会保険料が3割安い!
- PwCコンサルティングの平均残業時間は約43時間も、若手層は30時間未満に抑えてホワイトに働ける!
PwCコンサルティングとはどんな企業?
PwC Japanグループのコンサルティング部隊である「PwCコンサルティング」は、国内で4拠点・約4,500名を抱え、日本全国の名だたる企業に対して幅広くサービスを提供しているコンサルティングファームです。
ピュアな戦略案件を専門とする「Strategy&」のチームを持ちつつ、さらに近年ではテクノロジー関連等、実行に強い人材の採用に力を入れており、上流から下流までと言われる総合コンサルティングファームのケイパビリティをさらに強化しています。
PwCコンサルティングのオフィス(東京)は、三井不動産が手掛ける「Otemachi Oneタワー」の中に入っており、入居テナント企業が使える会議室(&BIZ conference)や食堂兼コワーキングスペース、フィットネスジム(有料会員制)があり、極めて高機能なオフィスとなっているようです。
PwCコンサルティングの現役社員の方によると、オフィス内にもカフェやコーヒーやお茶が無料で飲める自販機があるとのこと!
また、以下では簡単に売上高なども紹介します。
まずはPwCコンサルティングがメンバーであるPwC Japanグループの(税務や監査、M&Aを専門とする法人も含めた)売上高と成長率の推移です。
PwC Japanグループは、2015年から2024年までの10年間で売上を3倍に成長させてきました。
また、2023年までは毎年10%以上の売上高成長率(前年比)を達成していましたが、全体のトレンドとしては右肩下がりの成長率で、ついに2024年は前年比5%成長にとどまってしまい、その成長は鈍化傾向にあることがわかります。
初任給や新卒1年目の年収・福利厚生は?PwCコンサルティングのリアルな待遇
このセクションでは新卒でPwCコンサルティングを志望する多くの方々が一番気になるであろう年収や評価・昇進、福利厚生などと言った「リアルな待遇」の話を、実際の社員の方々へのインタビュー内容も含めて、具体的にまとめていきます。
まず、PwCコンサルティングが公式に出している情報を基に、新卒1年目の待遇を以下でまとめました。
PwCコンサルティングは初年度年俸、すなわち新卒1年目の年収を学士:665万円、修士・博士:685万円で提示しています。
また、この数字は30時間のみなし残業時間代を含むこと、約100万円のボーナス(個人成績+会社業績)を含むことにご留意ください。
加えて、ボーナス等の影響を加味すると、PwCコンサルティングの初任給は額面で約47万円、手取りで約36万円という数字になりました。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」にて算出された大卒の新規学卒者の初任給の平均が約24万円(額面)であることを踏まえると、PwCコンサルティングの新卒1年目は日本の新卒1年目の約2倍の初任給を得ていると言えます。
さらに、初任給のうち、自由に使えるお金(可処分所得)がどれほどかを、実家暮らしと一人暮らしで分けて現役社員の方にインタビューした上で算出しました。
生活費について、実家住みは8万円/月(家賃:2万円/月、水道光熱費・食費などの生活費:6万円/月)とし、一人暮らしは20万円/月(家賃:10万円/月、水道光熱費・食費などの生活費:10万円/月)と、それぞれ少し多めに設定しました。
その結果、PwCコンサルティングの新卒1年目の可処分所得/月は、実家暮らしで約28万円・一人暮らしで約16万円という結果になりました。
新卒1年目でこれだけのお金が手元に残るのであれば、かなり贅沢に暮らせるのではないでしょうか。
口コミ
毎月良いお寿司を食べに行って、さらに同期と小旅行をしても貯金や投資にお金を回す余裕があり、給料には満足しています。
業界内でも給与高め?PwCコンサルティングの年収事情
次に、待遇として一番イメージする年収(給与)について、インターネット上に落ちている情報と実際の社員の声をまとめます。
主な給与系データを持つ3つの媒体において無料で公開されている平均年収をまとめました。
媒体 | 平均年収 |
---|---|
Openwork | 972万円 |
OpenMoney | 987万円 |
エンゲージ 会社の評判 | 952万円 |
上記のデータから、PwCコンサルティング全体での平均年収は950~990万円程であると推測されます。
この数字は、コンサルティング業界の平均年収(FCON算出)である945万円よりやや高い年収水準にあるという評価になるでしょう。
ただ、日本全体の平均年収(400万円程度)を加味すると、給与はさすが外資系コンサルティングファームといったところでしょう。
さらにPwCコンサルティングにおけるタイトル別年収の参考値をご紹介します。
上記は企業口コミサイト等のインターネット上に公開されている情報とPRACAREER運営にて行った現役社員3名へのヒアリングにて作成したタイトル別年収一覧表です。
必ずしも正しい数値というわけではありませんので、あくまでも参考値としてご活用ください。
PwCはタイトルの中に「Emerging」「Proficient」「Advanced」という3つのゾーンという概念があり、同じタイトルでもゾーンによって給与が変わってきます。
現役社員の方からは、1つゾーンが上がると年収が額面で60万円増える(月5万円昇給する)ようなイメージであると伺っています。
また、その他に職階内の相対評価で個人のインパクトを測る「Tier(5段階)」の概念があり、それによってボーナスの額が変わる仕組みになっているとのことです。
戦略コンサルティングを行うStrategy&に関しては別の給与基準で採用を行っており、その給与基準は上記年収の15~20%増しのイメージになります。
現役社員の方によると、上記数字は業績ボーナスを含んだ数字であるということ、そして今のところ6年連続で業績ボーナスが支給されているとのことでした。
実力次第で新卒からスピード昇進!PwCコンサルティングの評価・昇進事情
ここからは年収を大きく左右するPwCコンサルティングの評価や昇進事情について、インターネット上の情報や現役社員の方へのインタビュー内容を踏まえてまとめていきます。
まずはPwCコンサルティングにおける評価方法は以下の通りです。
- 大体は四半期に1つ、「スナップショット」と呼ばれるプロジェクトにおけるパフォーマンス評価を、プロジェクトにおける上長(マネージャー以上)から貰う(PwCが持つ5つの評価項目に対して5段階で評価を受ける)
- キャリアの相談役である「コーチ(自分より職階が2つ以上高いプロジェクト外の上司)」とスナップショットの結果を振り返り、自身が今回狙いたい評価を擦り合わせる
- 半期に1回行われる「キャリアラウンドテーブル」と呼ばれる評価会議(マネージャー以上が参加)において、プロジェクトのパフォーマンス評価である自身の2つのスナップショットをコーチが持ちこみ、自身の評価を代弁した上で最終的な評価が決まる
現役社員の方によると、外資系企業と言いつつも最終的にはMup(マネージャー以上)にて評価が決まっていくため、社内のネットワーキングが重要になってくるとのこと。
さらに、自身の担当であるコーチが、評価会議においてどのように自身の成果や取り組みを主張してくれているかは不透明であり、コーチの部署内での発言力等によってもゾーンアップや昇進の可否が決まってくるようで、ここでもある意味上司ガチャ的要素があるとのことでした。
また、プロジェクトのパフォーマンス評価であるスナップショットを受け取る際には、プロジェクトの上長とそのタイミングでのフィードバック面談があり、なぜその評価にしたのかを伝えてもらい、ディスカッションする場として使えるとのことでした。
PwCコンサルティングでは、ゾーンが「Proficient」の人からプロモーション(次のタイトルへの昇進)の検討対象になるとのことで、場合によっては「Advanced」を経ずに次のタイトルに昇進する方もいらっしゃるとのことでした。
部署によって昇進のスピードはまちまちであるとのことですが、最速で1.5年でアソシエイトからシニアアソシエイトに昇進した人がいるとのことです。
その方は最初のプロジェクト終わりの評価で「Emerging」から「Proficient」にゾーンアップし、その次のプロジェクト終わりの評価で「Proficient」から2ゾーンアップしてシニアアソシエイトへと昇進されたとのことでした。
また、シニアアソシエイトとマネージャーが滞留しがちなタイトルになっているとのことで、シニアアソシエイトからマネージャーへの昇進とマネージャーからシニアマネージャーへの昇進は比較的厳しく見られているとの話がありましたので、参考にしてください。
保険料が安い?PwCコンサルティングの主な福利厚生
次に、気になるPwCコンサルティングの福利厚生についてまとめます。以下は福利厚生の一覧(公式HPの情報を引用し作成)です。
PwC健康保険組合
- 健康保険料を他の健保組合と比較して1割~3割ほど割安に設定
- 医療費の自己負担額が一定額を超える場合は超えた分の医療費が全額還付され、出産をした場合にも法定給付に加え、健保独自の付加給付あり
カフェテリアプラン
健康診断に追加できる各種オプション検査、専用ドッグ、医薬品購入など、PwC健康保険組合が用意しているメニューをカフェテリアポイントを使って利用できる制度
健康維持
- 年齢に即した健康診断を1年に1回無料で受診可能
- インフルエンザの予防接種の補助(上限金額設定有・被扶養者含む)や、電話・メールによる無料の健康・メンタル相談が可能
確定拠出年金制度
- 会社が掛金を拠出し加入者である社員が自ら運用を決定
- 運用結果次第で将来受け取る年金額が変動する年金制度を採用しており、毎月一定額を社員に対して拠出
- 希望者は「マッチング拠出」をすることができ、税制上の優遇措置(加入者拠出分は非課税)を受けることが可能
公認会計士企業年金基金
- 会社が毎月加入者である社員の標準給与(厚生年金の標準報酬月額※賞与を除く)に一定の掛金率を乗じた額を拠出し、加入期間3年以上の加入者に対して退職時に一時金もしくは年金を給付
- また、契約のある保養施設において1泊につき補助金(上限3泊)を支給
語学学習支援制度
- パートナーを除く全社員に向けた、約50のプログラムから選択可能な語学学習プログラムに対する、費用補助(ただし、受講率やスキル向上などの条件有)
- CASEC(英語を読む・聴く・書く能力のオンラインチェック)は年10回、GBC(英語を話す能力の対面チェック)は年3回まで無料にて受講可能
資格取得支援制度
- スキルアップのために必要な資格の取得支援または資格維持の費用負担あり
カフェテリアプランについては、年間3万円分ほどのポイントが貰えるとのことで、それを使って旅行券に変えたり、ディズニーリゾートのチケットに変えたりすることができるそうです。
また、資格取得支援制度については、年間20万円の費用補助が出るとのことでした(社内での申請や補助が出る対象についての縛りは有り)。
次に、PwCコンサルティングの休暇制度や働き方に関する制度をまとめます。
休暇制度
- 【年次有給休暇】
- 入社初年度から(最大)20日間の有給休暇の付与、5日間のリフレッシュ休暇が付与(計25日間の有給付与)
- 【特別有給休暇】
- 結婚休暇
- 子女結婚休暇
- 忌引休暇
- 災害休暇
- 交通遮断休暇
- 特別試験休暇
- ボランティア休暇(1年度に1日間)
- 出産休暇
- 配偶者出産休暇
- 育児・介護特別休暇(有給15営業日・無給5営業日)
- 子の看護休暇(1年度に5日間)
- 傷病休暇(最大有給40日間※勤続3年以上の場合)
柔軟な働き方
- 【ハイブリッドワーク制度】
- 状況に応じてリモートワークとクライアント訪問・オフィスへの出社を組み合わせて働くハイブリッドワークが標準的な働き方となっています。時間や場所にしばられず、自身のパフォーマンスやチームのコミュニケーションを最優先したワークスタイルを推進
- 【フルリモートワーク制度】
- 介護や配偶者の赴任帯同などを理由に、「出社義務のないフルリモートワーク」や「居住地を限定しない遠隔地リモートワーク(ただし国内に限る)」が可能
- 【コアなしフレックスタイム制度】
- スタッフが時間や場所にとらわれずに能力を最大限発揮できるよう、コアタイムを設けないコアなしフレックスタイム制度を導入
- 【フレキシブル・ワーク・アレンジメント(短時間勤務制度)】
- 育児・介護のための短時間勤務(時短・短日勤務)だけでなく、通学やボランティア活動などのための短時間勤務が可能
- 【フレキシブル・ライフ・デザイン休職】
- 従来の育児・介護のための休職制度に加え、海外留学、配偶者の海外赴任への帯同などのための一定期間の休職が可能
育児サポート
- 【出産特別休暇】
- 妊娠~産後1年まで、5日間の有給休暇(半日単位)が取得可能
- 配偶者の場合、出産立ち会いなどのために、出産予定日(出産日が予定日からずれた場合には出産日を基準とすることも可)以降6カ月以内に連続3日以内の休暇(1日単位)が取得可能
- 【育児特別休暇】
- 育児休業取得可能期間の末日までに、父母ともに連続15営業日までの有給休暇を取得可能
- 【育児休業】
- 父母ともに子が2歳に達するまで休職が可能
- 【ベビーシッター費用補助】
- 父母ともに子が小学校入学までの期間、在宅保育サービスの入会金の全額、利用料金の半額(上限設定あり)を負担
自由な働き方を叶える制度が多数揃っている一方で、家賃補助や社員寮はなく、日系の大企業と比較すると生活のコストはかさみそうですね。
また、女性や子持ちの男性に向けての諸支援制度も整っており、法定制度を大きく超える休暇や支援があるようです。
さらに、福利厚生や働き方の制度について、現役社員の方からは以下のような情報を伺いました。
の口コミ
- 他ファームと比べて有給の付与日数が多い
- ARIGATOポイントという社員同士で送り合うポイントでちょっとした家電が買えたり、アマゾンギフト券に交換できたりする
- 自己研鑽を補助する意味合いで資格取得などの際に20万円の支援が出る
- インターコンチネンタル・ホテルズ・グループやマリオットグループのコーポレート割引が使える
是非、参考にしてください。
PwCコンサルティングはブラック企業?気になる働き方
未だにブラックなイメージのあるコンサルティング業界ですが、「やさしいコンサル」をプロモーションのメッセージとしていたPwCコンサルティングは、いわゆるホワイト企業なのでしょうか。
そこで今回は待遇と併せて、働き方についても企業口コミサイト等のインターネット上に落ちている情報や現役社員の方のインタビュー内容を踏まえてまとめました。
結論、プロジェクトにはよるものの「比較的ホワイトに働ける環境」と言えるのではないでしょうか。
例えば、勤務時間に関して、Openworkは月平均43.6時間の残業があると算出しています。ここから、平均で1日2時間くらい残業をする試算になります。
PwCコンサルティングの所定労働時間が7時間であることを考えると、朝の9時半から出社/始業し、お昼休憩を経て19時半頃に退社/終業するようなイメージでしょう。
スタッフ層(アソシエイト・シニアアソシエイト)には30時間の見込み残業が付いていますが、近年の働き方改革で残業時間については厳しくなっており、大半のスタッフは月の残業時間が30時間を超えない場合が多いとのことでした。
むしろ、残業時間が多かったり、PCのログから稼働時間が長いことが分かったりした場合、コーチや上長から確認の連絡が飛ぶこともあるそうです。
スタッフ層の残業が厳しく管理されている分、マネージャーがタスクを巻き取ったりすることも多く、マネージャー以上は必然的に残業時間が多くなってしまう現状があるとのことでした。
しかし、プロジェクトによってはスタッフ層の残業が長いケースも見受けられ、その場合は比較的ハードに働く必要があるため、瞬間的にブラックな働き方になってしまうことは頭に入れておいた方が良さそうです。
ただ、そのような厳しいプロジェクトにアサインされた場合に体力的・精神的につらくなってしまった際にコーチと相談してアサイン先を変えてもらうことも可能であると伺っておりますので、ある意味「自分自身を守る働き方」はできるのではないでしょうか。
まとめ
以上、PwCコンサルティングの給与・福利厚生・働き方についてご紹介してきました。主なポイントは以下の通りです。
- 新卒1年目から年収650万円という総合コンサルティング業界でも高水準な給与
- 社会保険料が一般企業と比べて3割も安い優遇制度
- フレックスタイム制やリモートワーク、育児・介護支援など、多様かつ柔軟な働き方を実現する制度の充実
- 残業時間は月平均43.6時間程度で、スタッフ層(アソシエイト・シニアアソシエイト)は30時間以内を目指す管理体制
待遇面では総合コンサルティング業界トップクラスの水準を保ちながら、働き方についても比較的ホワイトな環境が整備されているPwCコンサルティング。是非、これらの情報を参考にしていただき、PwCコンサルティングの志望を考えてみてください。
また、PRACAREERではデロイトトーマツコンサルティングやEYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティングといった競合他社の待遇情報もまとめていますので、是非ご覧ください。
新卒でPwCコンサルティングを目指す学生からのよくある質問
- PwCコンサルティングではどのくらいの英語力が必要ですか?
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募集要項に英語力に関する言及はなく、英語力は問われません。実際、新卒社員の方に伺う中でも英語が全く話せない同期は多いとのことでした。
英語力がないために選考で落とされることはないでしょう。ただし、入社後にグローバルなプロジェクトにアサインされるため、マネージャー以上に昇格するためには一定以上の英語要件があるようです。 - PwCコンサルティングではMBA留学の支援はありますか?
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Strategy&のみではあるようです。ビジネスコンサルタント職などの入社の場合は特に支援はないとの理解で問題ないでしょう。
しかし、休職制度はあるため、自費ではあるものの、1年ほど休んでヨーロッパのMBAコースに通うといった方はいらっしゃるようです。 - PwCコンサルティングは成果主義ですか?
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外資系コンサルティングファームらしく、パフォーマンスによる評価が大きいようです。新卒で入って2年目でSenior Associateに昇格する人や、新卒4年目でManagerに昇格する人もちらほらといるようで、できる人はできる人なりのスピード感で昇格していくことができるようです。
- PwCコンサルティングでは部署移動が可能ですか?
-
可能です。部署移動の制度があり、人事・組織系の専門部署から金融系の専門部署に移るといったケースがあるようです。